第9話

目黒くん
4,924
2020/04/01 03:34
(Mukai)

初めて、初対面の人に向かって、俺から喋りかけたかも。



生徒会室に入ってきた彼は、昨日電車で助けたイケメンくんやった。


名前、目黒蓮って言うんや。
その日の帰り、電車で目黒くんを見た。
声を掛けようと思って、人混みをかき分け、目黒くんのもとへと向かう。
向井康二
目黒くーん!
俺が名前を呼ぶと、彼はすぐに気づいてくれた。
向井康二
今日も会えたね!
俺がそう言うと目黒くんは、
目黒蓮
む、向井くん、今日も会いましたね!
やって。顔も赤いし、何か変やない?
向井康二
俺が冷ましたあげよか?笑
そう言うと目黒くんは
目黒蓮
だ、大丈夫ですよ
って。でもずっと顔が赤いし、さすがに心配になって、
向井康二
顔、真っ赤やで。
熱あるんとちゃうか?
って言いながら、おでこに手を当てた。
目黒くんは何も言わなくなっちゃったから、
向井康二
どう?俺の手、冷たいやろ?
帰ったら体温はかって安静にしとくんやで?
って言ったら、2回ぐらい、コクコクと頷いてる。
可愛い。
目黒蓮
あ、ありがとうございます
「〇〇駅〜〇〇駅〜」
やって。俺なんかお礼言われることしたか?笑
もう俺の降りる駅やん。
向井康二
あ、俺ここで降りるから、また明日な!
もうちょっとだけ、目黒くんと一緒にいたかった。
明日も、会えたらええなぁ。
目黒くんとやったら、仲良くなれるかも。
でも、俺なんかが目黒くんみたいな人と釣り合うわけがないよな…。


ついついネガティブ思考になってしまうのが俺の悪い癖。
向井康二
あかんあかん!
こんなん考えてたらきりがない!
頬を叩いて気合を入れ直す。
明日も会えたらいいなぁ…。
次の日、俺が電車に乗り込むと、斜め前に目黒くんが居た。
向井康二
目黒くん!
おはよう!
今日は目黒くん、顔赤くない。
向井康二
昨日体温はかった?
念の為俺が聞いたら、
目黒蓮
平熱、でしたよ
やって。良かったわぁ。
あれ?耳の横どしたんやろ?
そう思って俺が聞いたら、
目黒蓮
昨日自転車で転んじゃって。
痛そうやなぁ。そう思いながら、
向井康二
絆創膏貼ったろか?
って俺が言うたら、
目黒蓮
これぐらいの怪我、大丈夫です
やって。これぐらいの怪我って言うても、けっこう傷口深いんとちゃうん?
向井康二
けっこう傷口深いんとちゃう?
って俺が聞いたら、
目黒蓮
大丈夫ですって!
って言って断られた。
もうちょっとで駅つくなぁと思いつつ、となりの車両を見たら、昨日目黒くんと一緒にいた、高身長なイケメンが立ってた。
向井康二
あれ、ラウールくんとちゃうの?
って、目黒くんに俺が聞いたら、
目黒蓮
ほんとですね!
って、めっちゃ嬉しそうに言うもんやから、ちょっとラウールくんに嫉妬してしもたわ(笑)
駅を降りて、改札の手前まで来たとき、手前におったラウールくんが、嬉しそうに近づいて来た。
ラウール
向井くん、めめ!
おはよう!
近くで見たら、ラウールくんも目黒くんと同じぐらい、顔が整っている。
1年B組にはイケメンばっかりなんか?笑
3人で喋りながら歩いとったら、学校につくまでなんてあっという間やった。
向井康二
俺靴箱あっちやから、またな!
今日、部活見学なんかな?
写真部、見に来てくれるかな?

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