第25話

作戦会議
3,845
2020/04/16 11:22
(Meguro)
もうね、限界。
精神的にも体力的にも疲れていた。

「部活に行きたくない。」

こんな感情が俺を支配する。
でも、向井くんが部活に来てくれるのは、残り7日。心配かけたくないし。何より、あと少しだし、一緒にいたかった。
誰にも相談できずに、一人で苦しんでいた。
ストレスからくるめまいや貧血など、もう体力的にも限界だった。

最近、部活のあとに、呼び出されて、殴られたり、蹴られたり、暴力も振られるようになった。
自分の体にできた痣や傷を見るたびに、涙が出てくる。明日もこんな思いをするのかと思うと、学校にも行きたくなくなった。
朝、重たい体を起こして顔を洗い、鏡に向かって笑顔をつくる。
大丈夫、まだ笑えてる。
向井康二
おはよ!
いつもの太陽のような笑顔でこちらを見る向井くん
目黒蓮
おはようございます!
いつもみたいに笑えてたかな…?
今日は生徒会がある。
正直、ほっとしてる。部活にいくのが遅くなるから、無駄に先輩と関わらなくていい。
放課後、ラウールと生徒会まで歩く。
足を痛めてるのを気付かれないようにしながら。
ラウール
めめ、疲れた顔してるけどどしたの?
いっその事、言ってしまおうか…。



いや、だめだめ!これ以上ラウールに余計な心配を掛けさせたらだめだ。
目黒蓮
そうかなぁ?笑
いつも通りを装う。
生徒会室に入ると、2年生二人はもう来ていた。
深澤辰哉
お、来たきた。
目黒蓮
今日はなんの話ですか?
深澤辰哉
花壇の雑草抜き(笑)
花に雑草は似合わないからね笑
足の痛みを我慢しながらしゃがみこみ、雑草を抜く
向井康二
オッケー!
お疲れ様!部活戻っていいよー!
めめ?今日、部活行くの遅れる!
目黒蓮
了解しましたー!
はぁ、行きたくないなぁ…。


痛む足を押さえながら、グラウンドまて走った。
(Mukai)

遅れるのには、理由がある。
生徒会室で相談や!もちろんめめのこと。 

ラウールくんも異変には気づいてたみたいで、ふっかさんに相談してみる事にした。
向井康二
ふっかさんはどう思う?
事情をすべて説明し、ふっかさんの方を向く。

ふっかさんは一瞬むずかしい顔になった後、ラウール君と俺の方をむいて、こう言った。
深澤辰哉
部活で、何かあったんじゃないのか?
ラウール
やっぱりですか?
うーん…どうやったらめめを助けられるんやろ?

3人で、助け出す為の作戦を考える。 









そうや!
向井康二
カメラや!
二人とも頭に?を浮かべてる。
向井康二
証拠写真とればええんや!
我ながらいい考えやと思う!
深澤辰哉
それいいね!そうしよう。
ラウール
めめの事、助けてあげて下さい…。
目に涙を浮かべながらそう言うラウールくん。

深澤辰哉
ラウール…
そう呟いたふっかさんは、ラウールくんのもとに行き、頭をなでてあげる。

その途端に、ラウールくんは、声を上げてなきはじめた。
深澤辰哉
こいつ、目黒の事が心配で、ずっと俺に相談してきてたんだよ。
ラウールくんはホンマに友達思いな子やなぁ。
ラウール
うぅ…グスッ
ふっかさんと二人で、ラウールくんを慰める。
ラウール
急に泣いちゃって、ごめんなさい。
明日、よろしくお願いします!
さようなら。
向井康二
明日のことは俺に任してや!
じゃあね!
ぱっと時計を見たら、部活の終了時刻を大幅に過ぎている。
深澤辰哉
康二ばいばい!
向井康二
ばいばい!
今日は一人で帰る。
明日、絶対に助け出してみせる。

ラウールくんの為にも、めめの為にも。

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