(Mukai)
体育祭の後の片付けはほんまに忙しい。
テントの片付けに時間はかかるし、朝礼台の移動も、物を運ぶのも時間がかかる。
ホンマに大変や。
めめと喋りながら掃除をしてたら
先生に呼ばれてどっか行っちゃった…。
しばらく一人で掃除してたら、
と、めめが戻ってきた。
髪をかきあげるめめにドキドキしてしまって、、、
!!
前と同じや。
二人で遊びに行ったときと同じや、この気持ち。
最初からそうやったんや。
生徒会に来てくれた時に仲良くなりたいなって思ったんもふとした仕草にドキドキしてしまう事も下の名前で呼ばれて嬉しかったことも全部、
恋、やったんや
俺はいても立っても居られんくなって、
彼の名前を呼んだ。
(Meguro)
向井くんの切羽詰まったような声が聞こえて、慌てて後ろを振り向いたら、泣きそうな顔の向井くん。
あまり人に見られたら可哀想だと思い、
遠くにいた深澤くんを呼んで、体育館の裏、誰もいないところに行く。
思わずハグをする。
目を合わせれば彼の頬にはポロポロと涙が溢れる。
二度目の告白。
泣きながらだけど、しっかりとそう言ってくれた彼の涙を拭ってあげて、夕日に照らされながら、
そっとキスをした───
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!