緑谷side.
相澤先生!!
僕達がつけば、そこには脳を丸出しにしたヴィランが相澤先生を押さえつけていた。
助けに行かないと!!
そう思った矢先だった。
月影さん!?
僕は月影さんが飛び出して来たことに驚いたが、次にしたことで更に驚いた。
ドン!!
月影さんが脳無に蹴りをいれて、遠くまで飛ばしていた。
ドゴォォォォン!!!!!
えっ!?
思わず声に出してしまうほど、本当に凄かったんだ。
相澤先生が何か話してるけど、この距離では聞こえない。だけど、相澤先生が喋り終わると月影さんが驚いた顔をしていた。
でも、その驚いた顔も束の間
ヴィランが喋りかけた途端、月影さんの表情は怒りに満ちていた。
こっちってヴィラン連合の事か?
ヴィランじゃない。どこか遠くの方を見てる?
一体誰を見ているんだ?
言葉の一つ一つに重みがある。彼女の過去に何があったんだろう。
とても、悲しい目をしてる。
そんな事を思っていたら、月影さんは手を上に挙げた。
何をする気なんだ?
魔法陣!?
彼女の足元には魔法陣が出現していた。
でも、月影さんの個性って刀のはずじゃ!
僕が驚いている間にも、魔法陣は光を放って月影さんの周りに纏っていた。
キュュュュイン!!!!!
魔法陣から何か出てきてる。
あれは、
龍!?
ビュォォオォォ!!!!!
風が凄い…飛ばされそう。
月影さんの姿が変わった?それに言葉遣いも変わってる。
龍が出てきた事に流石のヴィランも驚いてる。
昔の言葉遣い?
確かに、この状況でよくそんな事言えるよ。
月影さんから放たれる殺気で、体が押しつぶされそう。
危ない!
凄い熱風…
脳無の体が溶けてる!?
脳無の周りには炎が囲んでおり、とても脱出出来そうになっておらず、脳無の体は外側からアイスのように溶けだしていた。
地獄絵図だ…
脳無のあまりの惨さに僕達は言葉を失っていた。
恐怖が体を強ばる…
怖すぎる。そんな言葉しか浮かばない。
ついには、骨まで見えてきた。
ハッ!そういえば、月影さんは?
月影さんの方を見れば、ヴィランと戦う姿があった。月影さんと戦っているヴィランはもう体がボロボロだった。所々に切り傷がある。
木刀であれだけ!?
真剣ならば、どうなっているんだろう。
そう思ったけど、考えるのを辞めた。
いや、考えたくなかった。
彼女は恐ろしい言葉を発しながら笑っていた。だけど、目は笑っていなかった。
ビュォォオォォ!!!!!
風が強い!
ドゴォォォォン!!!!!!!!!!
砂埃で周りが見えなくなっていた。
月影さんは!?
目を開けて、月影さんを見ればヴィランは倒れていて、彼女は膝をついていた。
違う龍!?
さっきの龍だ!
ってことは脳無は!?
僕は脳無がいたであろう。場所を見ると、地面が焦げていて。その中心には………
何も残っていなかった。
流石の蛙吹さんでも、絶望の顔をしていた。
パァァァ!!!!!
なにこの光!?
さっきの龍が、いなくなってる。
バタン…
彼女は、倒れた。体には目立つ傷がない。
僕には何も分からなかった。
next.*'❀
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。