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第6話

孤独
89
2020/06/09 11:00
もちsaid
フレントが泊まりに行った翌日の夜になっても帰ってこない。
こんなことは初めてだ。いつもなら次の日の夜までには帰ってくる。2日連続で泊まることなんて今まで1度もなかった。
それと同時に、1人でのご飯はいくらなんでも耐えられない·····
いつもはフレントがいるから、どこかの部屋で物音がたっていて、急に静かになったら寝ているとわかり、寝たかと思ったらキノピオのモノマネを始めて撮影する。姿は見えなくとも、音で寂しさが払拭されていた。
そんな日常が時間の経過とともに恋しくなってきた。

寂しさから、俺は電話した。
もち
もち
もしもし·····
ねぎりょー。
ねぎりょー。
お!もち!
もち
もち
フレントが帰ってこない·····
ねぎりょー。
ねぎりょー。
え?今フレントの居場所分かる?
もち
もち
チハヤの家だと思う
ねぎりょー。
ねぎりょー。
泊まりに行ったのか?
もち
もち
そう。そこから帰ってこない。
ここからしばらくの無音だった。
するとねぎりょーは
ねぎりょー。
ねぎりょー。
落ち着いて正直に話せよ。
お前フレントのことが好きか?
胸がドキリとした。
一番聞かれたくない質問。1番逃げたい、答えたくない質問。
ねぎりょー。
ねぎりょー。
ここで答えられないとチハヤに·····
もち
もち
それだけは·····!
フレントを奪われたくない!!
反射的に言ってしまった。
俺がここでもたもたしているうちに、チハヤは自分の気持ちから逃げず、フレントに本音を言っているかもしれない。
ねぎりょー。
ねぎりょー。
フレントのことが好きなんだな?
もち
もち
·····うん
ねぎりょー。
ねぎりょー。
お前言ったからな。
絶対自分の気持ちから逃げるんじゃねぇぞ
フレントが帰ってきたらちゃんと伝えるんだ
もち
もち
ちょっと待っ·····
ねぎりょー。
ねぎりょー。
そうやって逃げてきたんだよ今まで。
お前がフレントが他人のものになっても平気なら今まで通り友達として接していけばいい。けど違うだろ?自分のことだけ見て欲しいんだろ?
もち
もち
うん。それやっと自分の気持ちに気づけた。
ありがとう。俺決めたから
ねぎりょー。
ねぎりょー。
おし。応援してるぞ
ねぎりょーに後押ししてもらったおかげで俺は逃げずに済んだ。ねぎりょーに逃げるのを止めてくれた。やっぱりどこかで逃げることを止めてくれる人が必要だった。
心からねぎりょーに感謝する。
フレントはいつ帰ってきてくれるのだろう。俺は気づくことが出来た気持ちに正直に向かうことができるようになった。
帰ってきたらなんと言おうか。
何をしてあげようか。
今日フレントは泊まってくるから帰ってこないことは何となくわかっていたが、なんだか寝てしまうのは惜しい気がした。
そして俺の心の中にあった、フレントが誰かのものになるんじゃないかという不安はいつの間にか消えていた。

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