第3話

慰め
206
2020/06/07 10:08
チハヤsaid
村上チハヤ
村上チハヤ
次の撮影は明後日の17時だからな!
忘れんなよ!
ハクマインの撮影が終わり、メンバーのくらちゃんと酒井ユウキと別れを告げた。
ハクマインの撮影は基本俺んちだ。
そして撮影中にも関わらず、酒を飲む酒井のせいで、テーブルが空になったチューハイの缶だらけになっている。
村上チハヤ
村上チハヤ
もうゴミ自分で捨てる制度にしようかな·····
ほんとこれ片付けるのだるい。
しょうがなくキッチンまで缶を捨て、ついでに冷蔵庫からチューハイを取り出す。
村上チハヤ
村上チハヤ
これ見たら飲みたくなっちゃうじゃんか!
そして一人晩酌を始める。
時刻は午後10時ぐらいだろうか。適当に動画を見ながら、風呂が沸くのを待つ。
チューハイ2本目を飲もうかやめようか考えていると、ガチャガチャと音が鳴る。
玄関の扉を開けようとしている音だ。
チャイムを鳴らさない。くらちゃんか酒井が忘れ物を取りに来たか?
周りを軽く探したが特に忘れ物はない。

ピンポンピンポーン。

どんだけ急いでいるんだ。
村上チハヤ
村上チハヤ
分かったから分かったから
モニターを覗くと、そこにはフレントが立っていた。泣きまくった後のような腫れた目で必死に俺が扉を開けることを待っている。
村上チハヤ
村上チハヤ
今開けるから!
すぐ近くだけれど、1秒でも早く開けるために玄関まで走った。鍵を開けると、抜け殻のようにぼーっと立っているフレントがやっと出せた声のように、
フレント
フレント
悪い。今日泊まらせてくれ
と言った。どこから走ってきたんだというくらい、物凄い量の汗をかいている。
あまりに彼に何があったのか分からなすぎて、俺はびっくりしていた。
フレント
フレント
チハヤ·····?
村上チハヤ
村上チハヤ
あ、おう!いいけどどうしたんだよ?!
フレント
フレント
色々あって·····
村上チハヤ
村上チハヤ
まず上がって!!
あ、もうそろそろで風呂沸くからもう入るか?
フレント
フレント
シャワーだけでいいよ。ありがとう
そう言って彼は、俺ん家の風呂場に真っ先に向かった。彼は何かもちさんとの家で居心地が悪くなった度に、俺ん家に来る。もちさんと喧嘩したのだろうか。

ならば今日こそは。今日のどこかの機会で、ちゃんと話をしよう。こんなチャンスじゃないと、俺は言えない気がする。しばらくすると、勝手に俺の部屋着を着たフレントが風呂から上がってきた。
フレント
フレント
チハヤ。ありがとう。
村上チハヤ
村上チハヤ
その部屋着お気に入りだって言ってるだろ?!勝手に着るなよ‪wまぁいいや。ちょっと酒飲まない?
フレント
フレント
ごめんってば。では、お言葉に甘えて·····
そう言って、フレントはソファに座った。
一番奥の右端に座るのが、彼の定位置。ずっと考え事をしているような顔で、固まったように座っている。
村上チハヤ
村上チハヤ
どっち飲みたい?
フレント
フレント
じゃあ、こっちで。
適当に選んだチューハイで、俺達は軽く乾杯した。
村上チハヤ
村上チハヤ
フレント·····何があったんだ?
まぁ、無理して言わなくていいけど
フレント
フレント
もちさんから逃げてきた。
もちさんは何も悪くない。俺が悪いんだ。
もちさんと喧嘩したらいつも、「俺はこうだと思うんだ。」「俺も悪いけどもちさんも悪い」と言うことが多かった。けれど今日は違う。喧嘩じゃないんだ。
フレントが泣きだしそうな目をして笑う。
フレント
フレント
もちさんがいつか俺の前から急にいなくなるんじゃないかって。そんな訳ないって分かってる。けど、もしそうなったらって考えたら、耐えられないんだよ·····
フレントは本当泣き虫だ。
頑張って耐えようとしても、涙が出てしまう。俺はさりげなくティッシュを差し出した。
村上チハヤ
村上チハヤ
なんでいなくなるかもしれないって思って逃げ出したんだ?
いなくなるかもしれないって感じたなら、その人と一緒に居たくなるのが普通なはずだ。すると彼は
フレント
フレント
「いつも俺はここにいるよ」って伝えるみたいに、俺のこの不安に気づかず笑っているもちさんにムカついたんだ。そんな自分勝手な考えを持った俺にますますムカついて、ここまで来ちまった
村上チハヤ
村上チハヤ
そっか·····
フレント
フレント
何言ってるんだろうな、俺。
ごめん。もう寝るわ。
そう言って、ずかずかと俺の寝室へ向かう。
俺のベッドなんだけどな·····
まぁいいや。フレントのためなら。

俺は風呂から上がって、寝室に向かった。
フレントがぐっすり寝ている。
村上チハヤ
村上チハヤ
俺はもちさんみたいに、いなくなるかもなんて不安フレントに抱えさせないよ·····
小さい声で、寝てるフレントに語りかけた。

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