第17話

紅の守護神
1,146
2022/01/12 23:00
俺がボス部屋に入って何分がたっただろうか。まだ数秒だろうか、それとも何時間も経っているのだろうか。
あなたのゲーム内の名前
「クッソ…」
俺はボスの攻撃を1人でさばいていた。しかしノーダメージとはいかず、既に4割ほどHPが持っていかれている。
キリト
「あなたのゲーム内の名前…!」
クライン
「あいつ…もうずっと1人で…すげぇ…」
そして少しずつダメージを重ねつつ、ソードスキルを使わずに攻撃力を上げていった。しかし、ボスもただ殴ってくる訳では無い。
あなたのゲーム内の名前
「ハァッハァッ!まずい…!範囲攻撃かよ!」
このままでは近くで倒れているプレイヤーにも直撃してしまう。
エギル
「くっ…!よせあなたのゲーム内の名前…!避けるんだ…!」
あなたのゲーム内の名前
「馬鹿言ってんじゃねぇ!誰も死なせねぇよ!こいつは俺がぶっ倒す!」
インフィニティ・クリムゾンで高めた攻撃力なら、ソードスキルを使って相殺できるはず、そしてボスの攻撃を受け止めるには連撃しかない。
あなたのゲーム内の名前
「ここだァ!うぁぁぁああああぁぁっ!!」
ボスの攻撃に合わせ、ソードスキルハウリング・オクターブを発動させる。高速の5連突き、その後に3連撃で斬り掛かる。
最初の5連撃でパリィに成功。そのまま流れて3連撃を叩き込む。
あなたのゲーム内の名前
「いっけぇええええっ!!」
ザシュザシュザンッと気持ちのいい音が響く。そしてボスのHPはみるみる減っていき、ゼロになる…寸前で止まった。
あなたのゲーム内の名前
「マジ…かよ…!後一突きで倒せるのに…!」
そのまま技後硬直が発生し、俺は数秒動けなくなる。
あなたのゲーム内の名前
「くそ…ここで死ぬのかよ…」
嫌だ。こんなところで死ぬ訳にはいかない。動け、動け、動け、動け、動け動け動け動け動け動け動け動け動け動け動け動け……動けぇ〜〜ッ!!!
キリト&アスナ&クライン&エギル
「あなたのゲーム内の名前ーッ!!!」
あなたのゲーム内の名前
「ぁぁああああああぁっ!」
剣を目の前に突き出した。するとザシュッという音が響き、ボスの攻撃モーションが止まる。そしてポリゴン片とな盛大に爆散した。
あなたのゲーム内の名前
「はぁ…はぁ…うっ…く…」
俺は集中力、精神力の限界がいて倒れ込む。
クライン
「うぉい!?あなたのゲーム内の名前大丈夫かよ!?」
エギル
「大丈夫か?流石だな。まさか1人で倒しきってしまうとはな。」
俺を心配し、何人かのプレイヤーたちが駆け寄ってきてくれる。
あなたのゲーム内の名前
「やべぇよな…仮想世界で…こんなにしんどいって思うなんてよ…でも…勝ったぜ…!誰も死なせなかったぜ…!」
俺は皆に指でグッドサインをする。するとクラインは泣きながら方を組んできた。キリトとアスナも傍に来て座り込んでいる。エギルはそんな俺たちを見守っている。
ヒースクリフ
「あなたのゲーム内の名前くん。流石だね。」
あなたのゲーム内の名前
「ヒースクリフ…いや、無我夢中だっただけだよ。誰も死なせたくない、それ一心だった。」
ヒースクリフ
「君の姿はここにいるもの達に勇気を与えただろう。かくいう私もその1人だ。まるで君は守り神のようだったよ。」
ヒースクリフはボスを倒すより、自分が死なないようにすることよりも、誰かを守ろうとする俺の事を見て、そう思ったらしい。
あなたのゲーム内の名前
「やめてくれよ守り神なんて…恥ずいし…。」
クライン
「いいんじゃねーか?守り神。なんなら守護神でいいじゃねーか!おめーの剣めっちゃ紅いしよ、紅の守護神なんてのはどーだ!?」
クラインは何故かドヤ顔で言ってくる。どうも何もそんな恥ずかしい2つ名どうしろというのか。
俺が戸惑っていると、周りのプレイヤーたちもクラインに賛成する意志を見せ始めた。
プレイヤー
「いいんじゃないか?紅の守護神!かっこいいと思う!」
プレイヤー
「俺もいいと思うぜ!紅の守護神!」
ノリで何人かはヒューヒューと口笛を吹く始末。俺は反対するのも面倒くさくなり、分かった分かったそれでいいよと流した。
あなたのゲーム内の名前
「とりあえず上の層のアクティベートやんね?」
キリト
「そうだな。上の層も早く攻略したいからな。」
そう言って俺たちは上の層へ進むのであった。そして、俺には紅の守護神というかっこいいけど、厨二感半端ない2つ名がついたのだった。

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