第16話

やり残し
1,154
2022/01/05 13:59
俺はキリトと別れ、残ったクエストを消化しに来ていた。
あなたのゲーム内の名前
「よし、もう少しで終わりだ。」
何か予感がするのだ。ここにボス戦のヒントがあるような気がして、そしてそのヒントが命運を左右するほどのものだという予感が。
あなたのゲーム内の名前
「せいっ!はぁ!こいつで…最後!」
俺は渾身の一撃を叩き込み、クエスト指定のモンスターを倒しきる。
あなたのゲーム内の名前
「ふう、さっさとNPCんとこ戻らねーと…」
道中でワラワラとモンスターが出て来るが、蹴散らしながら進んで行く。
そして俺は依頼主のNPCの元へたどり着いた。そして俺は、NPCから話を聞いた。そして青ざめた。
あなたのゲーム内の名前
「嘘だろ…知らないと絶対に回避できない超強力なスタン攻撃を食らうとか…」
俺はクエストを達成させ、全速力で迷宮区へと走った。恐らく今しがたボス戦が始まった位の時間のはずだ。
あなたのゲーム内の名前
「ハァ…ハァ…クッソ…仮想の体なのにやけに重く感じる…」
あなたのゲーム内の名前
「今から登るのも時間かかるし…最悪だな…クソ…」
悪態をつきながらも迷宮区へと入る。ボスの部屋まではかなりの距離がある。その間にもモンスターはいるのでなるべくヘイトを買わないようにしなくてはいけない。
あなたのゲーム内の名前
「ゲッ!こっそり行こうと思った矢先にこれかよ!」
そこにはこちらを見て目を赤く光らせるモンスターが3体。
あなたのゲーム内の名前
「だぁ〜!おめーらに構ってる暇無いってんだよ!」
あなたのゲーム内の名前
「オラァァァァっ!!」
ソードスキル〈ヴォーバルストライク〉を使用し、最初の敵の弱点にねじ込んだ。当たりどころがよく、更にクリティカルも出たため一撃で倒せた。
あなたのゲーム内の名前
「あと2体…!はあぁぁぁっ!」
ヒットアンドアウェイを繰り返し、敵を攻撃していく。敵のHPバーはイエロー、レッドと減っていく。
あなたのゲーム内の名前
「これで…終わりだ!!」
ソードスキル〈ホリゾンタルスクエア〉で弱った2体の敵を倒しきる。目の前に経験値やらのウインドウが出るが、すぐ消して走り出す。
あなたのゲーム内の名前
「えっと…こっちか!」
走り回り、ようやくボス部屋にたどり着いた。
あなたのゲーム内の名前
「よし!みんなに早く伝えねーと!」
重々しい扉を開けると、俺が不安に思っていた、起きて欲しくない光景が広がっていた。
プレイヤー
「う…ぐぅ…」
キリト
「くっ…そ…」
アスナ
「キリト…くん…!」
ボスを追い込んだ時、ボスがノーモーションでやってくる、超強スタン攻撃。それを皆が食らってしまっている。NPCによれば具体的にどれくらいの時間で戻れるかは不明らしい。
あなたのゲーム内の名前
「皆ァ!!」
キリト
「あなたのゲーム内の名前…来て…くれたか…!」
あなたのゲーム内の名前
「このボスはHPバーがレッドゾーンに陥ると、ノーモーションの超強スタン攻撃をしてくるやつだったんだ!俺が堪える間に回復を!」
俺は剣を抜いてボスに向かって走り出す。ボスのHPは4本の内の残り1本。しかも残り3割程度。
あなたのゲーム内の名前
「このまま皆をなぶり殺しにするところだったんだろうが、やらせねぇぞ。誰も殺させねぇ!」
誰も死なせず、俺1人でボスを削りきる。無茶だが、やれないことは無い。必ず皆を守ってみせる。そう誓い、駆け出した。

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