第18話

骨休め
1,097
2022/01/15 22:00
紅の守護神という2つ名をつけられてから数日が経過していた。
あなたのゲーム内の名前
「はぁ〜…最近バタバタしすぎてしんどいなぁ…」
思えば、このデスゲームが始まってからというもの、ろくな休みを取っていない気がする。
あなたのゲーム内の名前
「休みついでに、アイテム整理でもするかな。」
ウインドウを開き、アイテムを見る。それを見て少し萎えてしまった。下の層でしか使わないような合成アイテムや、対して効果の見込めないポーションなどなど、盛りだくさんだ。
あなたのゲーム内の名前
「これは…頭が休まらんかもな…ハァ…」
ため息をつきながらもアイテムを分別していく。いらないものはエギルの店で売り払ってしまえばいいだろう。
そして1時間ほどアイテムを整理し、エギルの店へ向かう。
あなたのゲーム内の名前
「えーっと、お!あったあった。」
カランカランと鈴の音がなる扉を開ける。すると店のカウンターにいる巨体のマッチョマンが目に入る。
エギル
「らっしゃい…てあなたのゲーム内の名前じゃねーか!珍しいな、どうした?」
あなたのゲーム内の名前
「実はさ、アイテムを全く整理してなかったから整理したんだけど、要らんもんが大量にあったから、買い取って欲しいんだよ。」
エギル
「なるほどな。そういうことなら任せとけ!」
頼もしく笑うエギルだが、あまり期待はしていない。エギルは地味にぼったくり商人なので、安く仕入れるために、頑張る男だからだ。まぁ整理出来ればいいのでそこは気にしないが。
あなたのゲーム内の名前
「とりあえず…いらねーのはこれだけだな。」
エギルにウインドウを見せて、査定してもらう。ただ、あまりレア物がある訳では無いので、高嶺のものはそうないはず。そう思っていたのだが…
エギル
「なにぃ!?」
エギルが突然叫び声を上げる。
あなたのゲーム内の名前
「うぉ!?びっくりした、なんだよ?」
エギルはお前何言ってんだという顔をしながらこちらを見てくるので、ウインドウを見ると、エギルが指を指すアイテム、神聖石というアイテムを見る。
(ほんとにあるかは分かりません。作者のオリジナルアイテムです。)
あなたのゲーム内の名前
「これがどうかしたのか?」
エギル
「お前…!なんも知らねぇのか!?これはな、プレイヤーの中じゃ喉から手が出るほど欲しいもんだぞ!?」
あなたのゲーム内の名前
「そうなの?どんな効果があるんだ?」
エギル
「いいか?これはな、どんな武器でも、絶対に強化が成功するっつー激レアアイテムなんだ!」
なるほど、このSAOでは武器強化はかなり重要なものだ。俺が使っているインフィニティ・クリムゾンは既にフル強化済みなのでそういった話はしばらくはノータッチだった。武器強化が必ず成功するということは、滅多に出来ない、装備フル強化ができるかもということか。
あなたのゲーム内の名前
「確かにすげーアイテムだな。でも俺には必要ねーし、買い取ってくれよ。そんなに激レアなもんなら、いい値がつくと…思うんだが…どうなんだぁ〜…?」
俺はニヤニヤしながらエギルに近づく。ぼったくり商人から金を巻き上げる。これもまた、RPGゲームの醍醐味と言えるだろう。
エギル
「うぐ…!分かった…だが!これとお前さんが売りに来たもんを合わせて6万コルでどうだ!?」
あなたのゲーム内の名前
「え?マジ?いいのそんなに。」
エギル
「あぁ、この神聖石は金持ってるやつなら6万7万は出すだろうからな。他のアイテムはオマケで買い取ってやるぜ。」
流石エギル。してやられた。だがまぁくどいようだが、他のアイテムは売れればいい程度のものなので、6万コルになるなら痛くもない。
あなたのゲーム内の名前
「んじゃ、交渉成立だな。」
エギル
「おう。なんかあったらまた来いよ!次はちったぁまけてやるからよ。」
俺はエギルに手を振って店を出た。たまにはこうやって友達と話すのも悪くないな…と思った一日だった。

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