数日後
『行ってくるね』
ベッドで気持ちよさそうに眠る北斗君の頬にキスして、
いつもよりゆっくり家を出る。
昨日のせいで若干腰に痛みは……((
いや、やっぱなんでもない事にしておこう。
ちなみに今は半同棲中で、
毎週金曜と土曜は北斗くんの家に泊まっている。
まぁそれはさておき、
今日は噂の新人君の入社日。
新人君の教育係は上司の山田先輩。
新人君は相当イケメンらしいし、
山田先輩と組んだら話題になるんだろうな…。
そう思いながら会社へ向かっていると、
ヴ-、ヴ-…
スマホのバイブ音が聞こえた。
『んー?』
相手は山田先輩。
…なんか、嫌な予感が、
そう思いながらも通話ボタンを押した。
『…おはようございます。兎川です』
山田「ゴホッ、知ってる…ゲホッ、」
『先輩…?』
山田「マジごめん、ゲホッ、風邪ひいた」
『ほう、』
山田「だからッ、新人、ゲホッ、1日だけ見てくんね、?」
『…はは、笑』
山田「たのむ、ゴホッ、」
『…樹に任していいですか((』
山田「いや他部署だわ、ゲホッ、」
『はぁ……わかりました。いっちょかましてきます』
山田「ゲホッ、たのんだ、じゃ、ゴホッ((」
『…あー、、こりゃヤバいな』
計算外すぎる。
なんで私が新人教育しかも1日目限定なの!?!?
あー死ぬマジでヤバい…!!
『もうほんとに…』
田中「うぃ、お疲れ」
『じゅりぃいぃぃぃいいいい』
田中「ねぇ何気持ち悪い」
『死んだ』
田中「死ぬな」
『ねぇだってさぁ…((』
田中「))…死んだな」
『でしょ!?ねーマジで山田ぁ!!!』
田中「呼び捨てすんな」
『ここでミスったら私やっていけないよ!?』
田中「まぁ意外と上手くいくって」
『いかねーよ!!!』
田中「あーもううるさい」
鬱陶しそうな顔をする樹。
それすら腹が立ってきて、
『あーもうやだ!!人生嫌い!!』
とかなんとか嘆きながら出社して、
私の一日は始まった。