第20話

第9羽“カラオケ、君のとなりで。”
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2019/09/26 17:42
ドキドキするのは。

君が隣にいるからかな。







期末テストがやっと終わって。

短縮授業に羽を伸ばして、学校の帰りにカラオケに来ちゃった…

でも、君は目を閉じたまま。

「テスト終わったら、カラオケいこうな」

なんて、約束してたのに!
ものの数曲歌ったら、もうおやすみ。

「テスト勉強で、疲れてたのかなぁ」

なんて呟いてみても、全然届かなくて。

私の右隣で、机につっぷしてすやすや眠ってる。

「ゆう、ゆーう……」

脇をこそばしても、全然起きそうもない。

「…もう!」

お昼のフリータイムが終わる夜までには、流石に目が覚めると思うけど…

「悔しいから歌っとこ…」

とりあえず、お気に入りの曲を何曲か入れる。

幸い、音楽も歌うのも私は好きだから、苦にはならない。





「.•*¨*•.¸¸♬きみのこえが〜……♪」

あれからもう5曲目。さすがに歌ったら目が覚めると思ったけど、、、なんで!?全然目が覚めないよ、悠…

5曲も連続で歌ったら、ちょっと疲れたかも…


がたっ

突然音を立てて机から私にチェンジしてもたれかかる悠。

「ちょ、悠……!?」

体にもたれかかられた拍子に、バランスを崩してしまった私も、思わずソファーに上半身が倒れてしまって。

若干、悠の体が馬乗りにー…


「ゆ…う!」

倒れた悠の寝息まで微妙に肩にかかって、思わず心拍数が上がるーーー


「……れ、みゆ?」

そこで、悠が目を擦りながら目を覚ます。

「ってあれ、どしたの?俺もしかして寝ちゃってた…?っていうかーーー」

そこまで言葉にして、にいる私に気付いて。

「何俺、今みゆのこと襲ってる?」

「〜〜〜…////////」

(何直球でギモン系なの…!?)
って思いつつも声が、出ない。

きっと私、全身が紅くなってるんじゃないかなって位、ドキドキしてる…

(悠)「何かごめん、」

フルフル、と首を振る私。

(悠)「え、いいの?」

(私)「はぁ……?!」

(悠)「そこでそう来る?フツー…」

何て言いつつも、何処と無く楽し気な悠と戸惑う私。

「でも困ってるみゆ可愛いから、暫くこのままでもいいかも♪」

「へっ……」

「嘘」

そこまで呟くと、気が付いたら悠にキスされてた…

「……ゆ、う……」

「満更でもないよね、みゆも」

「ここ、カラオケ……」

「うん、わかってる」

「起きる……」

何となく自制心が働いてソファから起き上がろうとする私を見て、そっと悠は避けつつ腰に手を回して。

「このまま、くっついてよっか」

と言ってイタズラっぽく笑った。

「流石にくっついて座ってるだけなら大丈夫でしょ」

とか何とか言いつつも、そっと私の髪の毛を触るその仕草が色っぽくて。

どこまでその言葉がほんとなのって感じにも見えるけど。

「俺の自制心持つかなぁ」

「えっ!?」

「何でもないない」

「……っゆ、う、!」

今度はほっぺにキスされて。

「悠と居たら、しあわせボケしちゃいそう」

「良いんだってしあわせボケして」

「もう……」

そのまま、今度は何も言葉にしないまま長いキスをして。

段々二人の境界線が分からなくなってく……



そんな錯覚。







ドキドキするのは、やっぱりキミが隣にいるからだよね……?

隣り合わせになった体はそのままで、カラオケはまだまだ続く。

(私の心臓とか色々、すごいドキドキしてるや…)




退出予定時刻まで、まだ残り数時間。

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