第4話

第3羽“いつもいっしょだよ”その2
85
2018/11/23 18:44
そそくさと、色々準備を終えた私は急いでぱたぱたと小走りで悠の元へ。
悠は相変わらず、玄関で私を待っててくれた。

「待たせちゃって、ごめんね」

「ううん、全然」

言葉数は少ないけど、その二言が安心感を与えてくれる。

「いこ」

差し出されたその手を、迷わず掴んだ。


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「公園デートは無しになっちゃったね……」

雨降り。公園で食べるつもりだったお弁当は持ったままで。

傘を差しながら二人で縦に並んで歩く。
近所の道はけっこう狭くて。
ほんとは並んで歩きたいけど……

さすがに車に跳ねられるのはヤだし。
相合い傘も良いけど、ちょっと端っこが濡れちゃうもんね。

(取り敢えずいこ、って悠がメッセージ送ってきたから、会いたかったし何にも考えずにに来ちゃったけど)

ばしゃぁ

「みゆ、車!」

その一言で我に返る。

「……!!!」

隣を走る車の勢いが激しくて、巻き上げた水溜まりの飛沫に危うく直撃するところだった。

何とか悠の声で危機一髪、水飛沫を避けることが出来たーーお礼を言わなくっちゃ。

「濡れなくて、良かったね」

にこり、こっちをみて笑う悠。

何その笑顔。眩しすぎるよ……



(続く)

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