あの涼の顔が 、頭から離れない 。
どうして 、どうしてそんな顔したの 。
『はぁ …… 』
どんどん悩みごとが増えてくよ 。
「にゃ」
『アリス ……… なんであんな顔するんだろうね』
アリスは私の話なんて聞いてなかったかように離れていった 。
そうだよね 、人の言葉が猫にわかるわけないもん 。
同じ 、動物なのに 。
『 …… そうだよ 、同じ人間だもん』
聞いてみれば 、きっとわかるはず 。
『涼 、』
涼「ん ?」
『なんで 、あんな顔したの ?』
涼「 ……… 好きだから 、あなたが」
『わ 、私 ?』
涼「なのにあんな相談しないでよ
失恋したってわかっちゃうよ ……… 」
『涼 …… ごめん』
涼「責任 、とってよ(ギュッ」
涼は 、後ろから抱きしめてきた 。
好きじゃないのに 。
私は 、それをふりほどけなかった 。
ううん 、ふりほどかなかったんだ 。
「あなた ……… 」
「あなた 、」
『あ 、雄登』
雄登「あなたは ……… 涼が好きなの ?」
『え !?あ 、ちがっ …… 』
雄登「俺のことも見てよ(ドンッ」
『へ ?』
こ 、これはひと昔前にはやった壁ドン !?!?(
雄登「頼むから 、俺のこと好きになってよ」
『ごめんなさい
私 、雄登のことは好きになれないよ』
雄登「な 、なんで 、」
『他に好きなひとがいるの』
雄登「もしかして 、涼 ?」
『ちがう』
雄登「教えて」
『ごめん 、それだけは教えられない』
雄登「っ ……… (グイッ」
『んっ 、』
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。