飛貴を帰らせたあと 、私はひとりソファに座った 。
そっと 、ソファの縫い目をなぞる 。
『飛貴 …… 』
そこで私は気づいた 。
私は 、飛貴が好きなんだと 。
キッチンに行こうと立ち上がると 、めまいがした 。
風邪ひいちゃったかな 。
でも 、明日も仕事だ 。
今のはなかったことにした 。
____翌日____
朝 。
起き上がろうとすると 、なんだかだるい 。
『ごほっごほっ』
あぁ 、これ完璧風邪だ 。
でも 、これくらいなら大丈夫 。
重い体を起き上がらせて 、仕事に行く準備をした 。
今日は …… 東京B少年のレッスンと雑誌の撮影 、それからMVとLIVEの打ち合わせ 。
私も忙しくなったなぁ 。
入所したすぐの頃はアンチばっかりで 、仕事なんて全然なかったのに 。
電車に揺られながらそんなことを考える 。
すると 、トントンッと優しく肩を叩かれた 。
『ん ?あ 、一世おはよ』
一世「有栖ちゃん 、おはよう」
肩を叩いた主は 、一世みたい 。
一世「今日 、レッスンだよね ?」
『そうだよ 。あ 、夏休みの宿題終わった ?』
一世「まあ 、なんとか終わらせた 笑」
『すごいじゃん 、私仕事ばっかで全然出来ない』
一世「そうかな ?俺から見たら 、有栖ちゃんは仕事がたくさんあって羨ましいよ」
『ふふ 、でも仕事がたくさんあるって大変だよ ?
学校もなかなか行けないし 、オフの日もほとんどないし 、友達もなかなか出来ない』
一世「友達 、少ないの ?」
『まあね 苦笑』
一世「じゃあ 、俺が友達になるよ」
『ほんとに ?いいの ?』
一世「いいよ」
『ありがとう』
『あと来てないのは 、龍我だけか』
龍我のことだから 、絶対寝坊したはず 笑
龍我「ごめん !寝坊した !!」
やっぱり 、思った通りだ 。
飛貴「龍我遅いよ〜 !!」
龍我「ごめん !ほんとにごめん !!」
雄登「龍我〜 ♡♡♡」
『雄登きもいよ〜』
雄登「はあ !?!?」
大昇「きも〜い !笑」
直樹「那須くん 、きもいよ(イケボ」
一世「ふはっ 笑」
雄登「ちょ 、みんな俺をいじめないで〜 !」
龍我「那須きもい」
雄登「(゚ロ゚)」
『ぶっ 爆笑』
飛貴「那須がふられてるー !笑笑」
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。