(( 飛貴side ))
『あなたちゃあああん !!!!( ぎゅっ )』
有「うわっ 、ちょっと飛貴離して」
『なんで1週間もいなかったの !?!?』
有「LAにいただけなんだけど」
『へ 、?』
有「はい 、お土産( 洋服 )」
『あ 、ありがとう !』
有「もう時間だから行くね」
『お仕事頑張って !!』
有「ありがと」
『この洋服 、めっちゃかっこいい ………… !!!』
あなたちゃんって 、ほんとセンスいいよね 。
憧れちゃう 。
『 ……… ん ?なにこれ』
服の裾に糸でなにか書かれてる 。
『がん 、ばれ ?』
小さいけど 、ちゃんとある 。
こんなのができるのは 、
『あなたちゃん ……… ??』
っううううううう 、、、///
『もうっ 、好き ……… 』
(( あなたside ))
『あと3年 ………… 』
そんなに時間がない 。
絶対にデビューさせてあげなきゃ 。
電話をかけると 、すぐに出でくれたジャニーさん 。
『 …………… ジャニーさん 、話があります』
ジ " なんだい ? "
『はいびーをデビューさせてあげたいんです 。私にはもう時間がないから 、その前に』
ジ " あなた 、本当にやめるのか ? "
『はい 、家のしきたりですから』
ジ " そうか ……… "
『だから 、お願いします 。あの2グループには私がいなくても大丈夫なようにしてください』
ジ " いいだろう "
『ありがとうございます』
そっと電話を切り 、スマホを強く握った 。
『 ………… 私がいなくても大丈夫』
自分にそう言い聞かせて 、仕事へと向かった 。
『はぁ 、疲れた ………… 』
倒れるようにソファに座った 。
……… ダンスは 、絶対にやめたくない 。
私をこの世界に引き込んでくれたのはダンスだから 。
だけど 、お父さんには逆らえない 。
家のしきたりには 、逆らえない 。
『嫌 、そんなの嫌よ 。やめたくない ……… 』
どれだけ言ったって 、それは覆らない 。
どれだけ泣いたって 、それは変わらない 。
だけど 、
『っ ………… 』
そっとソファを濡らしては 、嗚咽を堪えるように 。
私はこの家に産まれたことを後悔するんだ 。
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!