さとみside
どのくらい眠っていたのだろうか、少し重だるい体を持ち上げて…
なんか、俺が寝るときには絶対持ってないものが追加されている。
毛布、ぬいぐるみ…
猫耳は……まだある。
俺は重たい体を持ち上げて、目を擦りながら莉犬を探した。
あれ、まだ来てないのかな…
そう思って、もう1回ソファに座った。
すると、玄関からドアの開く音が聞こえた。
莉犬…かな?
リビングのドアから顔だけ出して、玄関を確認する。
すると、莉犬…だけじゃなく、他のメンバー全員がいた。
莉犬が見せてくれた写真には、ソファで丸まって眠る俺の姿が。
なーくんがじりじりと寄ってきて、いつの間にかソファへと追い込まれていた。
ぼふっとソファに倒れ込む。
それをいいことになーくんは耳やしっぽを触り始めた。
俺がそう言っても、なーくんは聞こえてないのか、ずっと触り続けている。
耳としっぽの付け根…
猫にとっての性感帯はそこなのだ。
なーくんがさっきからずっと耳触るから…
なーくんも猫が好きならこのくらい知ってるはず。
分かってて触ってんのか…
気づけば周りにみんなが集まって、みんなして耳やしっぽを触ってくる。
体が小さくなって、声も少し高くなっているのか、自分じゃない声のように聞こえる。
みんなから触られて、声を我慢しようも、我慢できない。
ころんの服にしがみついて、声を我慢しようとしても、どうしても出てしまう。
なーくんが耳元で囁いて、ふーっと息を吹きかける。
体がゾワゾワして、気持ちいい…
もう、何も…考えられない
みんなの顔を見上げると、
「待ってました」という顔で
2日くらいは歩けないかも…
なんて考えながら、5人に体を委ねた。
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。