だけど、彼は、塾に来なくなった。
それから、私は、気づいた。
彼のことが好きだったんだって。
〜それから何年かして〜
私は、中学校に入学した。
桜の舞っている校門を自転車で駆け抜けたとき、爽快感がした。
そんなとき、何故かふっと彼のことを思い出した。
〜入学式〜
隣の人と歩く歩幅が違いすぎて、私だけ遅れてた入場。
だけど、そんなことは、気にしない。
だって、この学校に彼がいるんだもの。
見つけるのは、難しくなかった。
瞬間でわかった。
だけど、話しかけなかった。
忘れられてたら、怖かった。
でも、昔の私とは違うことだけでも、知っていて欲しい。
〜入学式後〜
再会できるなんて。
話せるなんて
思ってもなかった。
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。