ジリリリリッ!ジリリリリッ!!
目覚まし時計が部屋中に響き渡る。
私は、軽く叩いて目覚まし時計の音を消した。
二人に、迫られてから一日がたって、今ようやく朝になった。
私は、手を宙に広げ背伸びをし、学校に行く支度をする。
あれから、私はなんとか逃げられたものの、状況は変わってないのだ。
さて、一体どうすればいいのやら……。
ダァァァァンッ!!
私は、床を思いっきり踏み叫んだ。
一回で、お母さんが大きな声で叫ぶ声がした。
私は、慌てて返事をする。
嘘だけどな。
そう言い、私は制服に着替え、下に降りていった。
ご飯を食べ、食器をリビングに片して、私は家をあとにした。
玄関前には、咲人と海人がいた。
どうやら、全然諦めていないらしい。
確かにそうだけど…!
てか、そんなことより…!
私は、二人を先に行かせようと背中を押すものの、ビクともしない。
すると、両サイドに二人は立ち、私の手を握った。
そして、学校のある方角へ向かった。
二人共、絶対言わせる気だな。
絶対言ってやんない!
私は、口を塞ぎ学校に急いで向かう。
海人は、繋いでいた手を引っ張り壁に押し倒す。
やばい…!
顔が近い…!
吐息が掛かりそうな程近くて、また心臓が張り裂けそうだ。
透き通った海人の瞳に、吸い込まれそうな程目が離せない…。
咲人が、海人の頭をチョップし止めてくれた。
た…助かった……!!
すると、咲人は走り出した。
良かった、これで安心…。
……って、そっち学校じゃない!!
どっちにしろ、やってること同じじゃないかー!!!
一体どこに連れて行くんだー!?
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!