第2話

加速する恋
96
2019/01/05 15:02
ジリリリリッ!ジリリリリッ!!
目覚まし時計が部屋中に響き渡る。
私は、軽く叩いて目覚まし時計の音を消した。
二人に、迫られてから一日がたって、今ようやく朝になった。
沙羅(さら)
うーん……!よく寝たー…!
私は、手を宙に広げ背伸びをし、学校に行く支度をする。
あれから、私はなんとか逃げられたものの、状況は変わってないのだ。
さて、一体どうすればいいのやら……。
沙羅(さら)
どぉーすんだよー!!!
ダァァァァンッ!!
私は、床を思いっきり踏み叫んだ。
沙羅お母さん
ちょっとー!!
今の音なにー?
一回で、お母さんが大きな声で叫ぶ声がした。
私は、慌てて返事をする。
沙羅(さら)
なんでもなぁーい!
ちょっと転んだだけー!
嘘だけどな。
沙羅お母さん
そう!
それなら、いいんだけど!
もう、朝食できてるから早くおりてきなさい!
沙羅(さら)
はぁーい!
そう言い、私は制服に着替え、下に降りていった。
ご飯を食べ、食器をリビングに片して、私は家をあとにした。
沙羅(さら)
いってきまー………す…!?
って…!
なんで、二人がここにいるの!?
玄関前には、咲人と海人がいた。
どうやら、全然諦めていないらしい。
海人(かいと)
だって、こうでもしないとな!
咲人(さきと)
会ってくれないでしょ?
確かにそうだけど…!
てか、そんなことより…!
沙羅(さら)
朝からは、さすがに迷惑だから帰って!
私は、二人を先に行かせようと背中を押すものの、ビクともしない。
すると、両サイドに二人は立ち、私の手を握った。


そして、学校のある方角へ向かった。
沙羅(さら)
ちょっ……!!
手繋ぐのは、さすがに…!
海人(かいと)
さすがに…?
何…?
咲人(さきと)
何かおかしな事でも…?
沙羅(さら)
……っ!?!?
二人共、絶対言わせる気だな。
絶対言ってやんない!
私は、口を塞ぎ学校に急いで向かう。
海人(かいと)
なぁ……!?
そんなことしたら…。
海人は、繋いでいた手を引っ張り壁に押し倒す。
海人(かいと)
可愛いことしてる……って自覚ある?
沙羅(さら)
ちょっ……ちょっと…!!
やばい…!
顔が近い…!


吐息が掛かりそうな程近くて、また心臓が張り裂けそうだ。
透き通った海人の瞳に、吸い込まれそうな程目が離せない…。
咲人(さきと)
はい!!
そこまでにしようかお二人さん!
咲人が、海人の頭をチョップし止めてくれた。
た…助かった……!!
咲人(さきと)
こういうのはね……。
すると、咲人は走り出した。
良かった、これで安心…。
……って、そっち学校じゃない!!
咲人(さきと)
ひと目の付かない所でした方が、良いよね?
どっちにしろ、やってること同じじゃないかー!!!
一体どこに連れて行くんだー!?

プリ小説オーディオドラマ