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第1話

私の気持ちは迷子
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2018/12/30 15:08
沙羅(さら)
はぁ…!はぁ…!!
なんで…、私が追いかけられてるのよ…!!
現在私は、学校内を全力疾走している。
その理由は…。
海人(かいと)
待てよ!逃げるなよ、沙羅!
咲人(さきと)
お前が追いかけるから、沙羅が逃げるんだろ!?
あっちに行け!
海人(かいと)
はぁ!?
それは、こっちの台詞だ!
そう、この二人こそ私が走ってる原因なのだ。
実は、1ヶ月前から二人に告白されてて、それから顔を合わせるのが、恥ずかしくなってしまったから。
そして、現在私はその二人に追いかけられ、しまいには喧嘩を始めた。
喧嘩するなら、止まってやってほしい…!
そして、気がつけば私は屋上に来てしまっていた。
海人(かいと)
やっと、追いついたぜ…!
沙羅、今日こそ返事を聞かせてくれ!
咲人(さきと)
そうだよ…!
毎日、目を反らしてばっかで会っても、すぐ逃げるし…!
二人は、ゆっくりと私の方に歩み寄ってくるにつれて、私は後ろに後ずさる。
そして、屋上のフェンスに当たってしまい、私は逃げ場がなくなった。
沙羅(さら)
わ…私、まだ分からなくて…!
もし、恋人になっても何をしたらいいか分からなくて…。
海人(かいと)
……、恋人になったらな…。
こういう事するんだぜ?
海人は、手を握り指をスルリと絡めて、恋人繋ぎをしてきた。
そして、耳元でとろけるような声を出した。
海人(かいと)
好きだ。
こんなに伝えてるのに、まだ分からないなんて、悪い子だね。
言葉だけで、私の背中は電撃が走ったかのような、感覚になった。
優しいような、少し意地悪な風に聞こえて、とろけそうになった。
咲人(さきと)
なぁ……?
俺を忘れるなよ?
すると、咲人も手を握り指を絡めた。
そして、耳元に顔を近づけ、唇が触れ、舌で舐め始めた。
それは、優しく甘噛みするような触れ方で、次第に私は立っていられなくなった。

咲人(さきと)
好きだよ。
お前が…、ほしい。
その言葉に、私は地面にへたりこんだ。
そして、二人は手を握るのをやめず、再び言うのだ。
海人・咲人
俺と付き合ってくれませんか?
その言葉に、心臓の音が加速する。
そして、次第に林檎のような赤い顔になり、私はそこから永遠抜け出せなかった。
快楽に溺れた私は、いつになったらこの答えを見つけられるのだろう…?

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