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第1話

入学式…
265
2021/07/05 21:13
今日は高校の入学式。


満開に咲き誇る桜の下、俺はどこか浮かない表情をしていた。


俺はみんながニコニコ写真を撮っているのを無視してすぐに教室へと向かった。


教室のドアを開こうとした時、中から声が聞こえた。俺はそんなの無視をし、

「おはよう」

の挨拶も無しに教室に入った。


そこにはオレンジ色の髪の毛をした華奢で可愛い女の子がいた。

その子は俺に向かって

「おはよう!!」

と、声を掛けてくれた。



         ドキッ



俺の中で何かが変わる音がした。


嬉しい訳ではない、


かと言って、苦しい訳でも無かった。


ただただ、その少女に目が釘付けだった…

さらにその少女は

「あっもしかして、影山飛雄君でしょ〜?」

と俺に聞いてきた。
顔も名前も教えたつもりはないのでそう聞かれたときは驚いた。


「なぜ、俺の名前を知ってる?」


「なぜってテレビでよく見るからに決まってんじゃん」


 「テレビ?」

        「ほら、バレーボールの!!」

「コート上の王様。
   バレーボール、すっごい強いじゃん!!」



「バレーボール強いって、羨ましいな〜

 私、いっくら練習しても上達しないんだよ〜」


「お前もバレー、やってるのか?」


「あっ女の子に向かってお前はないんじゃいですか〜?」


「そっちが名のらないのが悪いんだろ?」


「あーもう、ごめんなさいね。
    私の名前は日向翔子。
       日向ちゃんって呼んでね♡」


「なんか凄い馴れ馴れしいな…」


「こんなに可愛い私に向かってなんで失礼な!」


「ごめんって、で?日向ちゃんはバレーやってんのか?」


「えぇ、中学生の頃から初めて結構練習したけど、あまり上達しなくて…」


「それ、練習の仕方が悪いんじゃないか?
よかったら俺が練習に手伝うぞ」


   「本当に!?
       すっごい嬉しい!!」


「空いてる時あったら言えよ。
   いつでも練習に付き合ってやる。」


「わかった!
じゃあそろそろみんな教室来るだろうし
影山君も準備終わってないみたいだから
早く終わらせよ」


  〜〜教室に他の生徒が入ってくる〜〜


「じゃあ後でお話ししようね
私、トイレ行ってくる!!」


「たく、女の子なんだからもうちょっと慎めよ…」

(でも凄い元気が良くて可愛いな…)


この日は俺が初恋をした、大事な日になった…

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