黒木と白城は死神探偵事務所に入った…窓から見た通り綺麗に整理整頓され掃除の行き届いている事務所であった。よくある2階と3階が住居スペースの事務所だ。単純に広いなと白城は思った
そう言って白城の前にお茶(⚫六茶)を置いた。白城は口では遠慮していたものの喉が渇いていたのか飲んだ…
今は11月…暖房が無ければ寒い季節だ。しかしこの事務所は非常に空調設備がしっかりしていた
そう言いつつ自分の席の前にホット珈琲を置いた…黒木も自席に座る
…そんな雑談を2人はしていた…恐ろしく気が合うのか話が弾みに弾んでいつの間にか夕方5時になっていた
動きが固まった…驚きなのもあるが最も大きかったのは自分より上の存在への恐怖からだった
怖かった……父親が、そして誰かに言った時の父親の怒りが………このまま日常が過ぎていくのが。恐ろしかった辛かった…白城は改めて思った…
誰か…この世から解放して…
誰かに信じてもらったこともなかった…いや多分覚えていなかった…白城は…自分を人を信じれなかった……信じるなんて忘れかけてた。だが欠片になりかけたその感情は…再生された…今一度信じてみよう…だがこの質問だけしたかった
その目には涙があった…黒木は言った
…白城は決断した…そしてそれを見せたのだ
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!