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第26話

お金の力 その4 もう1つの事件
灰岐 警部
もう1つの事件って…さっきの紙のことですか?
黒木
黒木
ええ…先程の紙ですが…内容は探偵の調査報告書でした
灰岐 警部
調査報告書…?
黒木
黒木
ええ…何を調べていたか…それは、あなたを調べていたんですよ、静本さん…
静本
わ…私をですか!?
黒木
黒木
ええ…その探偵報告書の中身は…あなたの身辺調査の結果でした。…その結果を見るに…あなたは友人さんにこんな発言をしていたそうですね…『あの人がなくなったら…遺産は全部どうにかなるのにな…』と
静本
!!!
灰岐 警部
ま…待ってください、そもそも彼女は血縁関係者では無い…
黒木
黒木
慌てなくても説明しますよ…。そして、その探偵は計画殺人の意思があり…とそう判断しました。…ここからはあくまで推測です…。その探偵は現在世界一周旅行の最中のようで、どのような内容か…聞けなかったからです。嶋田さんは悪寒がしたでしょう…自分はいずれか…殺されると。しかもそれも大事に思っていた彼女に…。嶋田さんは悲しさと同時に憎しみもまた抱いたと思います。けど、彼自身が犯罪をするという考えには至らなかった。なぜならどの道全財産を失うことになるからです…生きていても…犯罪をしても行く道がない。どうにかしたかった彼は…残念なことに自殺という道を選びました。自らを裏切った彼女に罪を着せるために殺人に見せかけるようにね…
白城
そんな…そんな理由で
黒木
黒木
結果…自殺だと…分かってしまいましたが…
灰岐 警部
なら言わなければ…
黒木
黒木
……灰岐さん、私は探偵です…。真実を知りながらそれを誤魔化してまで探偵をしたくありません
白城
……
灰岐と白城はなんとも言えない気持ちになっていた…。もし、黒木がこの推理を披露しなかったら…静本は逮捕されていたかもしれない。それが嶋田さんの望みだからだ…けど、黒木は探偵としてのプライドを選んだ…。仕方の無いことかもしれないが…それでも…と2人思ってしまう…。そして灰岐が続ける
灰岐 警部
でも…財産をどうやって…
黒木
黒木
だから灰岐警部に調べてもらったじゃないですか
灰岐 警部
ああ…静本さんの入院理由…貧血だけではなくて妊娠の兆候も見られたからと…
黒木
黒木
そう、妊娠…妊娠したら当然胎児がいますね
灰岐 警部
ええ…もちろん
黒木
黒木
…習いませんでしたか?……法律上……お腹の中にいる胎児にも財産相続権はあるんですよ
灰岐 警部
!!!!!!!!!!
白城
えっ!?
漏田刑事
そ…そう言えば法律上ではそんなことが可能だったような…
静本
黒木
黒木
このことを知ってたあなたは…殺人を密かに計画していたのでは?
静本
…証拠はあるんですか?
黒木
黒木
………先ほど申し上げたようにあくまで推測です…物的証拠は…ありません
あと少しで解決するところなのに…物的証拠がないという大きな壁の前に…黒木らは諦めることしか出来なかった。このまま…財産相続権は胎児の親である彼女のものになってしまうのだろう…黒木にとっては数少ない…未解決事件だった…。
病院の外で4人は話していた…
灰岐 警部
くっ…警察も…探偵も…どうにも出来ないのか…!
漏田刑事
仕方ないっすよ…法律を味方につけられたら…
灰岐 警部
くそっ!
白城
……すごくもどかしいです
黒木
黒木
…これが探偵です、時にこうしてどうにも出来ない事件が出てくることがある。けど、それでいちいち落ち込んでいては…感情的になりすぎては…いけないんですよ
白城
…そうですね…でも…こんなの…嶋田さんが…報われないじゃないですか
黒木
黒木
……
黒木達は…白城に語りかける言葉が見つからなかった…