第28話

こたきよ_rt
1,700
2021/06/15 13:30
*フィクションです。



「みなと。好きやったよ…」







「何言っとん。きよちゃん…」






「ごめん。。」






「ごめんじゃわからん!」







「もう無理なんよ。もうこれ以上…」










きよちゃんを見ると、なにかに怯えてるように感じた。





「ごめん。みなと…」







別れを切り出した理由を聞けぬまま、清春は部屋を後にした。

















きよちゃんは何を隠してるん。










そんなに…何に怯えとるん…










……




部屋に戻ると奴がいた。



「何で泣いてるの?」





「別れてきました。」






「やっとか。あの日から何日たったと思う?」







「わからん」








「ふーん。きよ?」








「分かりません。」








「そうだよね。1ヶ月だよ。僕があげた期間は?」







「1週間です。」








「そう!1週間だよ!3週間もすぎちゃったね。」







「すいません」








「どうする?きよ。もう期限とっくに過ぎちゃった。」







目の前にいるのは可愛い最年少ではなく。














悪魔だった。




「きよ。こっち来て」






小太郎の声とは思えないほどの低いトーンで言う。








何をされるのか…
「嫌だ…」

















なんて言える訳もなくて…

















「きよ。そこ座って。」





小太郎の指示通りに動く。










「手、出して。」





















カチャ






「これでOK」












「きよ。今日は何をしよっか。」














「放置、寸止め、イキ地獄、、うーん…あっ、そうだ…全部塞いじゃおっか。」






「何言っとん…」








「だから、そのクリクリのまん丸のお目目も、この大っきいお猿さんみたいな耳も、このスラッとしたお鼻も。全部塞いじゃおっか」









「嫌や…それだけは嫌や…」






「もう無理だよ。準備しちゃったし。」






「やめてや…」







「誰が悪いと思ってんの。きよがいけないんだよ。」





「小太郎ッ」








「あーもう!動かないで!みんな呼ぶよ!」







「嫌や。でもッ」








「嫌なんでしょ。じゃあ黙って動かないで。」


















そして俺は五感のうちの3つを奪われた。









目にはネクタイ




耳にはヘッドフォン




鼻には何やらいい匂いのタオル




















俺にはそれ以上の記憶は無い。

プリ小説オーディオドラマ