無機質な白い箱の中。
あるのはベッドと椅子とテレビと難しそうな機械。
カーテンの外から漏れる木漏れ日が優しく風に揺れる。
ここは病室。
真っ白な服に身を包んだ医者や看護師が数名立っている。
立っているだけで何もしなかった。
ただ、俯いていた。
真っ白なベッドには親友が死んだように眠っている。
飽きるほど見た顔。
綺麗な顔で少し癖っ毛の栗色が君の髪の毛と重なる。
好きな人に似るんだったか、似てる人を好きになるのか忘れたけどさ。
瞳を開けば、少しオレンジがかった赤い瞳をしている。
でも、いつまで経っても瞳は開かない。
あぁ、そうか。
頬につたう涙で気づいた。
彼は死んだように眠っているんじゃない。
本当に死んだんだ。
そっか。
朝起きて、
親に呼ばれて学校に行かずに病院に行って、
医者や看護師たちに言われたんだっけ?
「 本当に申し訳ございません 」って。
あいつの両親も泣いてて、空気が馬鹿みたいに重かった。
事故死なんだって?
交通事故なんか、らしくないなぁ。
あなたが言ったじゃないですか。
「 また明日 」って 。
元気だったじゃん。
「 海行こう 」って言ったのはあなたですよね?
実感がわかなくて。
僕も帰るのについて行けばよかったのかなぁ?
もっと早く帰ればよかったのかな?
もう何もわかんないよ。
浮かんでくるのは後悔ばっかりで。
久しぶりに訳わかんないくらい泣いた。
すぐ起き上がるんじゃないかって。
すぐ話しかけてくるんじゃないかって。
無駄に想像ばっかしちゃって。
こんな想像、全部理想でしかないのに。
自分の嗚咽のせいでドアが開いたことにすら気づけなかった。
ドアの前で君が不安げに僕を見つめる。
彼女の腕には包帯が巻かれている。
すぐに察した。
彼女を家に送りに行ったからか。
だから、ふたりで事故にあったんだ。
それで、うりさんは _____ 、
そう言っていつも通り笑う。
その笑顔が、いつも通りすぎて、逆に不思議だった。
目の前で恋人を失ったのに。
そこまで辛そうに見えないのは気のせいなのか。
「 なおきりくんじゃないでしょ?」と問われる。
「 聞かされてないのかな?」なんて。
呑気なことを思っていた僕が馬鹿だった。
彼女の後ろから現れた、彼女の母親らしき人が彼女に声をかける。
泣いていた僕を気遣ってか、小さな声で言った。
そりゃ、信じられないよなぁ。
隣にいた人が突然いなくなるなんて。
でも、彼女は泣くどころか、一言発した。
鏡を見なくても自分の瞳孔が開くのがわかった。
人ってこんなもんなの?
愛してる人のこと、こんな簡単に忘れちゃうの_?
気付けば、また僕は泣いていた。
彼女の姿がぼやけて見えた。
全部、夢ならいいのに___
あげ忘れてました🫵🏻













編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。