ガタンゴトン…
確かここに……
……………………
あった!!
るぅとくん、為になった動画はすぐリストに入れる癖あったからあると思った!w
そう心の中で喜びつつしっかりと題名とサムネを覚える。
今僕はるぅとくんのスマホを借りて、るぅとくんが作ってくれたチョコケーキの作り方動画を探していた。
これはるぅとくんにバレてはいけない。
今度こそお返しのサプライズを成功させるんだ…
偽装工作のため、僕は適当に思いついた曲の歌詞を検索する。
よし、何とかごまかせたみたい…
ちょっと苦しい言い訳だったかもだけど、るぅとくんは何も疑ってないでしょ…
これで、あとはなんの動画か忘れないようにしt…
ガタンゴトン…
ちょっと考え込んでたせいか、電車の揺れに負けるぅとくんの胸に寄ろけてしまった
ドキッ
ドクンッ ドクンッ ドクンッ
やばいやばい…心臓がバクバク言って止まらない…
なんで…え…?
僕は自分の顔がじわじわ暑くなってるのを感じて、必死に下を向く
赤くなってるのバレてないかな…/////
よっぽど驚いたんだな…いつもなら「静かにしてください!」って注意する側にいる彼が電車の中で情けない大声をあげるなんて、結構よっぽどの事だったんだろう……。
るぅとくんの大声に驚いて、自分の顔が熱いのが少しずつ冷めていくのが分かる。
恥ずかしぃ…と聞こえるか聞こえないかの声量でぼそっと呟き、彼は赤面して下を向く。
もしるぅとくんが大声をあげてなかったら、きっと顔が赤くなってるのがバレてた…
サンキューるぅとくん…
気づいたら最寄りの駅に着いていた。
冬の冷たい風が僕とるぅとくんの間に吹き通る。
この距離さえも縮められたら…
…………
ん?
今なんか考えてた??
え?
ピッ(Su〇caを使う音)
最近無意識にキザなセリフを考えてる気がする…
恥ずい………/////
この後、僕とるぅとくんは違う方向へ帰っていく
前とは違く、背中を向けて帰る
このお別れが、ずっと続いてしまうんじゃないかってふと考えちゃう…
怖いなぁ……
正直、超絶びびったけど、一方で何故か安心してしまった。
なんでなんだろ…
なんだか今日はいつもに増して寂しい気持ちが募る…
このまま彼を見てると家に戻れない気がして…
何かが壊れちゃいそうな気がしたから、
僕は後ろを振り向かずに早歩きで自宅に向かう
ガチャッ(家の扉を開ける)
情けない声を出しても1人は1人。
無意識に声が出てしまった…w
僕は帰ってきてばかりだと言うのにまた靴を履いて家を後にした。
続く。
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。