第5話

底へと
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2022/09/09 07:00
『 一緒に死なないか 』

そう言う君は雲で覆われた空を見上げていた

それはつまり駆け落ちをすると

僕らは同性愛者だった。

彼の生き方と僕の生き方は反比例する生き方で、自由な僕と違って彼はいつも何かに縛られた生活だった。

それでも僕は彼を愛した。





結婚相手も親が決めると言う堅苦しい家に生まれた

いや、生まれてしまったが正解だな。

今まで何かを常に我慢してきた。
でもそれが成功につながったことはない。

もう正直疲れた。生きるのに疲れた。もう言いなりになりたくない。

かと言ってこの鎖の繋がった冷たい牢獄から出れるわけではない。

だから僕はこの世で一番大切な君と最後を共にしたい

重い愛でも構わない。

そう君は言ってくれた。

いつもの笑顔で。

あぁ、だから僕は君に惚れてしまったんだな




君と手を繋いで、黎明の時刻に、
2人なら何も怖くない。恐れるものなんて、
そう2人で笑いながら僕らは美しく清く流れる垂水へと身を投げた。

最後は2人愛し合って、それは未来でも。

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