第25話

#24
1,084
2021/07/01 06:35
本当に私の想いが叶った瞬間
夢じゃないことを確認して
玲於くんに手を振って家に入った
川村壱馬
川村壱馬
おかえり~
川村壱馬
川村壱馬
「なんか嬉しいことでもあったん?」
花巻あなた
花巻あなた
「あのねおにい」
川村壱馬
川村壱馬
んー?
花巻あなた
花巻あなた
「玲於くんと付き合うことになった」
川村壱馬
川村壱馬
え?「玲於さんと?」
花巻あなた
花巻あなた
「うん」😊
川村壱馬
川村壱馬
そっか、良かったな!
花巻あなた
花巻あなた
「こんな私でも
想ってくれる人がいるなんて」
川村壱馬
川村壱馬
「俺も嬉しいよ
あなたの幸せそうな笑顔が見れて」
花巻あなた
花巻あなた
「おにいも早く彼女作りなよー?笑」
川村壱馬
川村壱馬
「はいはい笑」
花巻あなた
花巻あなた
「私ね、おにいに言ってなかったことある」
川村壱馬
川村壱馬
ん?なに?
花巻あなた
花巻あなた
「実はさ、」
川村壱馬
川村壱馬
うん?
花巻あなた
花巻あなた
「ここに来る前、地元にいるとき、高校でいじめられてんだよね」
川村壱馬
川村壱馬
は?
川村壱馬
川村壱馬
「ほんとに言ってる?」
花巻あなた
花巻あなた
コクンッ
川村壱馬
川村壱馬
「それってどういう事された?」
花巻あなた
花巻あなた
「無視されたり、態度で分かるの、暴言とか悪口は全般かな」
花巻あなた
花巻あなた
「机に陰湿な言葉書いた紙を置かれたりも」
川村壱馬
川村壱馬
くっそ、あなたがそんなことされてたなんて…
川村壱馬
川村壱馬
「怪我は?どこもない?」
花巻あなた
花巻あなた
「あるよ」
川村壱馬
川村壱馬
え?どこに
私は服をめくって腕を見せた
あんまり消えなかったからくっきりアザがある
川村壱馬
川村壱馬
こんなに…
川村壱馬
川村壱馬
「他には?」
私は足のキズも見せた
花巻あなた
花巻あなた
「今まで黙っててごめんね」
川村壱馬
川村壱馬
「謝らなくていい」
川村壱馬
川村壱馬
「この事玲於さんは?」
花巻あなた
花巻あなた
「知ってるよ」
川村壱馬
川村壱馬
「いつ話したん」
花巻あなた
花巻あなた
「ずいぶん前かな」
川村壱馬
川村壱馬
「そっか」
川村壱馬
川村壱馬
「辛かったな、あなた」
そんなに優しい言葉をかけないで
涙が一度溢れると止まらないんだから
そう思って、気付いてたらもう泣いてた
するとおにいはそっと抱きしめてくれた
川村壱馬
川村壱馬
泣いていいよ
ほんとなら届かない声も
今はそう言ってるように聞こえた
おにいの抱きしめ方が優しくて
また泣けてくる
あの時の感情がフラッシュバックしてよみがえり
涙が溢れて止まらなかった
さっきまであんなに嬉しかったのに
今はどの感情にも当てはまらないほど乱れてる
しばらくして、お互いが一度離れた
川村壱馬
川村壱馬
「大丈夫?」
花巻あなた
花巻あなた
コクンッ
川村壱馬
川村壱馬
「もう心配しなくて大丈夫」
川村壱馬
川村壱馬
「俺が守るよ」
川村壱馬
川村壱馬
「玲於さんもいるし
困ったことあったらなんでも言ってな」
花巻あなた
花巻あなた
「ありがとうおにい」
川村壱馬
川村壱馬
お、おう
花巻あなた
花巻あなた
笑笑
川村壱馬
川村壱馬
笑笑
川村壱馬
川村壱馬
「はよ涙拭け笑」
花巻あなた
花巻あなた
「あっ笑」
おにいがそっとティッシュを渡してくれたから
そのティッシュを受け取って涙を吹いた
川村壱馬
川村壱馬
「なんか飲む?」
花巻あなた
花巻あなた
「うん!」
川村壱馬
川村壱馬
「おっけ、なんか持ってくるね」
花巻あなた
花巻あなた
「できれば紅茶をお願いします笑」
川村壱馬
川村壱馬
ちっ笑
川村壱馬
川村壱馬
「はーい笑」
花巻あなた
花巻あなた
🙏笑笑
川村壱馬
川村壱馬
笑笑
なんだかんだ笑ってるなー
おにいがいてくれて良かった
おにいがおにいで良かった
これからもずっと一緒にいようね
手術が終わって、帰ってきたとき
おにいの声がちゃんと聞こえますように…
玲於くんもね































それからあっという間に時間は過ぎていった
荷物は早くからまとめてたけど
やっぱり寂しいね
GENERATIONSのみなさんや
おにいのグループのみんなも手術を応援してくれた
玲於くんとは結構連絡取り合って
おにいともたくさんメモ帳使って
心残りないように
まぁまた帰ってくるんだけどね
一人での地元帰りかー、
お母さんに連絡して
手術のことも承諾してもらったから
あとは私が無事に帰れるか、違うか笑





川村壱馬
川村壱馬
「気をつけてな」
佐野玲於
佐野玲於
「俺らちゃんと待ってるから」
花巻あなた
花巻あなた
「ありがとう、おにいも玲於くんも」
川村壱馬
川村壱馬
「荷物重くない?」
花巻あなた
花巻あなた
「大丈夫!」
佐野玲於
佐野玲於
「着いたら連絡して」
川村壱馬
川村壱馬
「俺が先に連絡しちゃうかも笑」
佐野玲於
佐野玲於
笑笑
花巻あなた
花巻あなた
笑笑
花巻あなた
花巻あなた
「絶対に着いたら私から連絡するから笑」
川村壱馬
川村壱馬
笑笑
佐野玲於
佐野玲於
笑笑
川村壱馬
川村壱馬
「おっけおっけ笑」👍
佐野玲於
佐野玲於
「時間平気?笑」
花巻あなた
花巻あなた
「あっそろそろ行かなあかん笑」
佐野玲於
佐野玲於
「気をつけて」👋
花巻あなた
花巻あなた
はーい👋
川村壱馬
川村壱馬
👋
あなたは一度も振り返らなかった
ほんとはもう一度あなたの名前を呼びたいけど
ふたりも我慢してあなたの後ろ姿を
あなたが人混みに消えていくまで見送った
佐野玲於
佐野玲於
行っちゃったな
川村壱馬
川村壱馬
行っちゃいましたね…
佐野玲於
佐野玲於
大丈夫大丈夫
玲於が壱馬の方をポンポンと叩いた
川村壱馬
川村壱馬
あの玲於さん
佐野玲於
佐野玲於
ん?
川村壱馬
川村壱馬
少しお話しがあるんですけど、
時間大丈夫ですか?
佐野玲於
佐野玲於
別にいいけど、どうした?
川村壱馬
川村壱馬
とりあえず家来て話しましょ!
佐野玲於
佐野玲於
おっけ
壱馬が話したいことか、なんだろ

ふたりも後ろ姿を向けて、

あなたとは別々の方向に歩いていった

プリ小説オーディオドラマ