なんかこの前まで
毎日と言っていいほど連絡取り合ってたのに
いざパタッと切れちゃうと
本当に寂しくて、
何よりの孤独で、押し潰されそうだった
もしかして私のこと嫌いになっちゃったのかな
もう好きじゃなくなっちゃったのかな
誰かとこんなにも連絡が取れないだけで
また色々なことを想像しては
浮かれたり落ち込んだり、私らしくない
そうやって悩んで落ち込んで
元気がない私を
おにいは心配してることに私は気付いてる
自分でも分かってる
もうちょっとしっかりしなきゃなって
私が大声でおにいに怒鳴った瞬間
私の頭に痛みが走って、耳鳴りがし出した
ふらつく私をおにいはすぐに支えた
定期的に病院には通院してるのに
なにも異常はないって言われたのに
おにいが私のことを支えながらソファーに移動した
そして痛み止めを飲んで
それから数十分して、痛みと耳鳴りも引いてきた
実はあれ以来、度々ふらつきと痛みがあって、
おにいがいない一人の時に
倒れそうになったこともあった
だけど、今それを話したら
また迷惑になったりなんかしない…よね…
いつもじゃ「大丈夫」とか
「いいよ、一人で行く」とか
断ってたりもしてたのに
今だけは素直に返事を返すことができた
はぁ…玲於くんに会いたいな…
玲於くんのことを心配する姿に少し壱馬は驚いていた
その時、
ピコンッ
LINEの通知音が鳴った
私はすぐに携帯を開いた
玲於くんからだった
私はそのLINEを見てみた
話ってなに?
まさか別れ話とかじゃないよね…
その不安にまた押し潰されそうになったけど
私は優しく返事を返した
私はそう返した
玲於くんに会いに行くのはお昼頃
時計を見ると10:30になってたから
私は服を選んで
メイクもして、髪の毛もちゃんとセットした
おにいはついてくるって言ってたけど
私は一人で大丈夫と、そこは断った
おにいの心配はちょっと優しすぎるからね
私はまたそこから、タクシーにのって
玲於くんのもとへ向かった
数十分後
玲於くんのもとに着いた
ドアをノックして、中から返事が聞こえた
ガチャン
なんて言われるのかな…
私の予想はちょっと当たっちゃったみたい
私の素直な返事に少し驚いたみたいだけど
忙しい玲於くんに私のわがままで困らせたくなかったから
そう返事をした
あっ、もうやだ
ここまで来たら止まらなくなる
もういいや
頭では分かってるのに
心がこの気持ちを抑えてくれないの
玲於くんの手が私に触れようとした
つい出ちゃった言葉…
もう後戻りはできないね
その時、またさっきの症状が襲ってきた
玲於くんが支えようとするけど
私はその手を振り払った
私は思いのまま部屋を飛び出た
ごめんね玲於くん
もう無理なんだ
私、もう耐えられない…ごめんね…
部屋を飛び出した先には
GENEのみんながいた
なんか言い合いが聞こえてたのかな
あーあ、もうほんとにダメだな私
私はその場から今すぐにでも立ち去りたくて
走ろうとした
だけど、三歩目くらいでその足が動かなくなった
そしてさっきよりも強い頭痛と耳鳴りが鳴った
もしかしてここで倒れる?
また迷惑かかる…
だけど、その痛みにも耐えられなかった
後ろの歩で私を心配する声が聞こえる
だけど、その声に返事はできなかった
だんだん呼吸も荒くなる
奥の方で扉が空くような音がして、振り向こうとした
多分それは玲於くん
私の体を少しそっちに向けたら
玲於くんが心配そうな顔をして、こっちに向かってくる様子がわかった
初めて、そう呼ばれたかも…
嬉しいな…
そんなことを思ってると
自然に意識が遠退いて
その場に倒れた
もう玲於くんの声は聞こえない
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!