第26話

#25
1,095
2021/07/01 13:44
佐野玲於
佐野玲於
壱馬、話ってなに?
川村壱馬
川村壱馬
あっ、あの
佐野玲於
佐野玲於
ん?
川村壱馬
川村壱馬
玲於さん、あなたのこと、
絶対に泣かせたりしないでくださいね
佐野玲於
佐野玲於
なに急に笑
川村壱馬
川村壱馬
いやっ、
佐野玲於
佐野玲於
嫉妬でもした?笑
川村壱馬
川村壱馬
嫉妬してます
川村壱馬
川村壱馬
だって、俺
あなたのこと好きだったんで
佐野玲於
佐野玲於
は?
佐野玲於
佐野玲於
好きって、どっちの?
佐野玲於
佐野玲於
一人の女性として?
それとも兄d…
川村壱馬
川村壱馬
一人の女性としてです
壱馬の言葉に少し沈黙が続いた
静かな部屋に男同士のあなたの認めあい
川村壱馬
川村壱馬
だけど、それは玲於さんに譲ります
川村壱馬
川村壱馬
だから、あなたのこと悲しませず
自然に笑える子にしてあげてください
佐野玲於
佐野玲於
それあなたちゃんに話したの?
川村壱馬
川村壱馬
話してないです
佐野玲於
佐野玲於
…そうなんだ
川村壱馬
川村壱馬
びっくりっすよね、笑
いきなりこんなこと言われて笑
佐野玲於
佐野玲於
いや
川村壱馬
川村壱馬
本当の兄妹じゃないし、
気付いたらあなたのこと一人の女性として気持ちを寄せてた部分があります
川村壱馬
川村壱馬
でもあなたの幸せを願うのは兄として、想いを寄せてる俺としても、当然だと思ってます
佐野玲於
佐野玲於
うん
川村壱馬
川村壱馬
玲於さんは、今僕の話を聞いて
…どう思いましたか?
佐野玲於
佐野玲於
あなたちゃんのこと俺は本気で好き
だけどあなたちゃんに対する壱馬の想いも尊重する、だけどあなたちゃんを誰にも渡したくない
川村壱馬
川村壱馬
はい、重々分かってます
佐野玲於
佐野玲於
俺もあなたちゃんの笑顔大好きで、少しでも暗い顔してると心配になる
川村壱馬
川村壱馬
はい
佐野玲於
佐野玲於
でもごめん壱馬
川村壱馬
川村壱馬
全然大丈夫です
佐野玲於
佐野玲於
もう一回正々堂々と戦ってもいいよ
川村壱馬
川村壱馬
え?
川村壱馬
川村壱馬
冗談っすよね笑
佐野玲於
佐野玲於
わりい笑
川村壱馬
川村壱馬
別にいいですけど笑
佐野玲於
佐野玲於
俺はあなたちゃんの彼氏として、あなたちゃんを守る、だから壱馬はあなたちゃんの兄として、あなたちゃんを守ってほしい
川村壱馬
川村壱馬
分かりました、
だからこれだけは約束してください
あなたを絶対に泣かせないと
佐野玲於
佐野玲於
わかった、絶対に約束する、
だけど、あなたちゃんの高校時代の話聞いた?
川村壱馬
川村壱馬
はい、聞きました
川村壱馬
川村壱馬
腕にあるアザも足にある傷も、
あなたがこんな日々を過ごしてたなんて兄失格だなって
佐野玲於
佐野玲於
俺も、あなたちゃんに出会ってからそんなに日は経ってないけど、話してくれたときなんかめっちゃ悔しかった
川村壱馬
川村壱馬
そのいじめた奴ら、まだ地元にいるんすよ
佐野玲於
佐野玲於
まじで?
川村壱馬
川村壱馬
はい
川村壱馬
川村壱馬
もしかしたらあなた、そいつらと会うかも知れなくて、それが心配で
佐野玲於
佐野玲於
そっか…ちっ
すると玲於はいきなり立ち上がった
川村壱馬
川村壱馬
玲於さん?
佐野玲於
佐野玲於
俺やっぱ一回あなたちゃんとこ行くわ
川村壱馬
川村壱馬
え?
川村壱馬
川村壱馬
ほんとに言ってるんっすか?
佐野玲於
佐野玲於
本気だよ
佐野玲於
佐野玲於
壱馬は?来る?
川村壱馬
川村壱馬
…俺はここで待ってます
連絡来るかもしれないし
佐野玲於
佐野玲於
分かった
川村壱馬
川村壱馬
あなたのこと、頼みます
壱馬は玲於に頭を下げた
その目には涙を浮かばせながら
佐野玲於
佐野玲於
分かった
この「頼みます」には
色々な願いがこもっている
それをちゃんと玲於は理解した
佐野玲於
佐野玲於
ちょ、行ってくる
川村壱馬
川村壱馬
はい
玲於はいきよいよく家を飛び出していった
一応変装しながらも
あなたのもとへと向かう玲於の姿はかっこよかった
今ならまだ間に合うはず
お互い違うとこから向かっても



玲於は必ずあなたに会いに行く






佐野玲於
佐野玲於
はぁはぁ…あなたちゃん…
待っててなあなたちゃん
もうちょっとで着くから






一方その頃、あなたは…


うわぁ、少しの間しか向こうにいなかったのに
三年ぶりくらいに帰ってきた感じがする
私はバッグと大きなケースで地元に帰ってきた
お母さんに会うわけでもないのに
ウキウキしてる
それはなぜかって
手術、
うまくいったら幸せになれる
そう思っていた
同級生①
あれ~?笑
同級生②
あー!あれあれ?笑
同級生③
あなたじゃね?笑
なにやら三人組が私に近づいてくるけど…
え、…うそやろ
同級生①
よー!あなた~笑
同級生②
めっちゃお久や~ん笑
同級生③
元気にしてた?😊
なにを言ってるか分からないけど
多分またこいつら私をからかってくる気だ
同級生②
まだ耳聞こえないんやw
同級生①
あ確かにw
同級生②
じゃなに言ってもわかんないね~?笑
同級生③
笑笑
こいつらさ、私のことなんにも知らないもんね
私が川村壱馬の妹だってこと
佐野玲於の彼女だってこと
ちょっとここらでいばってみるか
同級生③
なんか書いてるよこいつw
同級生①
www
同級生②
なになに~?笑
同級生②
は?
驚いてる
これはどっちの驚き?
花巻あなた
花巻あなた
「あんたたち川村壱馬好きだったよね」
そう書いた
同級生③
なにいきなりw
同級生①
それがあんたのなんの関係があんだよ笑
私のメモ帳を落とされたけど
私はそのメモ帳を何食わぬ顔で拾って、また書いた
花巻あなた
花巻あなた
「私、川村壱馬の妹なの、
いつもおにいのこと見てくれてありがとね」
同級生③
えっなにいってんのこいつw
同級生②
うざw
花巻あなた
花巻あなた
「あっあと」
それを書いた瞬間、突き飛ばされた
いった…
同級生①
はw
同級生①
なにこのメモ帳笑
同級生③
ダサすぎる笑
同級生②
大丈夫~?笑
くっそ…
ふざけんn…
???
ふざけんな!
同級生①
なに?
同級生②
はぁ?
同級生③
なんだよ?







えっ…うそ…
花巻あなた
花巻あなた
えっ?
やっぱり私には…あなたしかいない

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