第16話

#15
1,287
2021/06/15 04:40
それから数日後、
私は病院に行くことにした
一人じゃ心細いって言ってたけど
おにいの仕事と日程が合わなくて
結局私一人で行くことになった
ガチャンッ
えっ、…
佐野玲於
佐野玲於
よっ👋
私は急いでメモ帳とペンを取り出した
花巻あなた
花巻あなた
「玲於くんどうして?!」
佐野玲於
佐野玲於
「壱馬の代わり」
花巻あなた
花巻あなた
「えっ、一緒に来てくれるってことですか?」
佐野玲於
佐野玲於
うん笑
花巻あなた
花巻あなた
「心細かったので嬉しいです…」
佐野玲於
佐野玲於
「時間平気?」
花巻あなた
花巻あなた
「あっ笑」
佐野玲於
佐野玲於
笑笑
佐野玲於
佐野玲於
「タクシーで行く?」
花巻あなた
花巻あなた
「そうするつもりです!」
佐野玲於
佐野玲於
「分かった」
花巻あなた
花巻あなた
ペコリッ
それからタクシーを拾って
目的の病院までついてきてくれた






到着
花巻あなた
花巻あなた
「玲於さん大丈夫ですか??」
佐野玲於
佐野玲於
「なにが?」
花巻あなた
花巻あなた
「バレたりしないんですか?」
佐野玲於
佐野玲於
「あー多分大丈夫」
花巻あなた
花巻あなた
「一人でも大丈夫ですよ!」
佐野玲於
佐野玲於
「なにいきなり笑」
花巻あなた
花巻あなた
「だって…迷惑かけられないじゃないですか…」
佐野玲於
佐野玲於
「はいはい、分かった」
佐野玲於
佐野玲於
「この辺ブラブラしてるから、終わったらまた連絡して~」
花巻あなた
花巻あなた
「すみません💦」
佐野玲於
佐野玲於
「いいのいいの」
佐野玲於
佐野玲於
「気をつけて」👋
花巻あなた
花巻あなた
👋
結局診察は一人で受けることになったけど、
玲於くんが待っててくれるのは心強い…
私は病院の中へと入った
案の定、人がたくさんいた
でも私は予約してるから、
看護師さんに別室へと案内された


看護師
どうぞ~
花巻あなた
花巻あなた
ペコリッ
トコトコトコトコトコッ
ガラガラガラガラガラッ
医師
こんにちは~😊
花巻あなた
花巻あなた
ペコリッ
するとパソコンに文章が書いてあった
先生がこっちとパソコンを指差した


「こんにちは花巻あなたさん

今日は一度、耳の検査をします。
痛くはないので安心してください。

それからご自身の体調のこともお聞かせください。」


そしてマウスをクリックして次のページに移った


「最近、体調に変化はありますか?」


目の前には小さなボードがあって
そこに書き込むらしい
花巻あなた
花巻あなた
「最近は急に息が苦しくなって、頭が痛くなって、倒れてしまったことがありました」
医師
「その時はどんな状況でしたか?」
花巻あなた
花巻あなた
「落とし物をしたので、それを見つけるために走ったら急に呼吸が苦しくなって…」
医師
「頭はどの辺に痛みがありましたか?」
花巻あなた
花巻あなた
「耳の後ろらへんくらいに激痛が…」
医師
「一度触らせていただいても大丈夫ですか?」
花巻あなた
花巻あなた
コクンッ
私は先生の言葉に頷いた
医師
「今は痛みはどうですか?」
花巻あなた
花巻あなた
「今は平気です」
医師
「今触ってて違和感などは感じたりしましたか?」
花巻あなた
花巻あなた
「なんか耳が変な感じでした」
医師
うーん
言葉が上手じゃないから表現の仕方が下手やな…私
医師
「耳も触らせてもらいますね」
再び頷いた
医師
「痛い?」
私は首を横に振った
医師
「花巻さんの場合は事故によって、耳から頭を強くぶつけたんですよね」
花巻あなた
花巻あなた
「はい」
医師
「日々の生活の中で、耳鳴りとか、耳の中がぐにゃぐにゃしたり、キーンってしたりすることありますか?」
花巻あなた
花巻あなた
「たまにあります」
医師
「実は、」
何言われるのか
医師
「花巻さんの場合、耳が全く聞こえないわけじゃないんです、」
花巻あなた
花巻あなた
「その耳鳴りとかでですか?」
医師
「そうです」
医師
「すごく確率、可能性は低いのですが、耳の手術によって、耳が聞こえるようになった患者さんもいらっしゃいます」
花巻あなた
花巻あなた
「それってどういう手術なんですか?」
医師
「詳しい説明はまた後日しますが、全身麻酔で、耳に管を通して、頭や耳を伝うひとつの神経を整えるというものです。」
うん、さっぱりわからん
医師
「私はその担当医ではないのですが、大阪の方にその患者さんを治した医師がいます」
花巻あなた
花巻あなた
「そうなんですか?」
医師
「はい」
医師
「ですので、もし手術となった場合には一度別の大きな病院で検査をして、その担当医に主治医を変更します」
医師
「その許可には花巻さんのご家族の方の同意も必要になります
詳しい説明をする日程に、誰か来られる方はいますか?」
花巻あなた
花巻あなた
「いますけど、予定が合うかどうか…」
医師
「日程は花巻さんの方で調節していただいて大丈夫ですよ」
花巻あなた
花巻あなた
「分かりました」
医師
「今、声を出すことはできますか?」
花巻あなた
花巻あなた
??
医師
「声が聞こえないと自分の声は分かりませんが、一度なんでもいいので、声を出していただけますか?」
花巻あなた
花巻あなた
「はい…」
医師
「あー、でも、いー、でも」
花巻あなた
花巻あなた
…あー
きっと変な声なんだろうな…
医師
「しっかり発声できてますよ」
花巻あなた
花巻あなた
「あのこれで何が分かるんですか?」
医師
「これもまた一つ、手術の可能性を引っ張ります」
医師
「この手術というのは100%のうち、成功する確率が12%ほどしかありません。
なので本当に難しい手術になります。花巻さんの方にも結構な負担がかかります」
花巻あなた
花巻あなた
医師
「またご家族の方と相談してみていただけますか?」
花巻あなた
花巻あなた
「分かりました」
医師
「今日は貧血と頭痛を抑える薬を出しておくのと、手術の内容の用紙を一緒に出しておきます
診察を出て、右に曲がれば受付なので、そこでもらってください」
花巻あなた
花巻あなた
ペコリッ
花巻あなた
花巻あなた
「ありがとうございました」
医師
「お大事に😊」
花巻あなた
花巻あなた
ペコリッ
看護師
お大事に~
ガチャンッ



少しでも可能性があるなら…

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