第9話

朝ってこんなにも明るかったんだ。
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2019/04/07 10:47
イヴァは私に全て話した。

イヴァの目には涙が溜まっていて、

何筋も頬を伝っていた。

私にはどうすればいいのか分からなくて。

とりあえず、さっきイヴァがした事と同じ様に抱き締めた。
リリス
リリス
大丈夫だよ。
イヴァは何も悪くないよ。
イヴァ
イヴァ
…俺は…自分の親なのにっ…殺しても…何も思わなくてっ…
イヴァ
イヴァ
そんな自分が…怖いっ…
リリス
リリス
怖くなんかないよ?
イヴァはイヴァなんだよ。
イヴァ
イヴァ
…うっ…っ…
この時、私は思ったんだ。

イヴァはとても強い人なんだと思ってた。

でも、この時のイヴァはとても怯えていて、弱かった。

でも、イヴァには笑って欲しい。

だから、私がイヴァの笑顔を守らないと。

多分、私にとってイヴァは、大切な人なんだ。

会って1日も経ってないけど、そう思えた。




目を開けると、窓の外は明るくて。

横にはイヴァがまだ目を閉じていて。

イヴァの目の周りはふわりと赤かった。

リリス
リリス
…イヴァ。
イヴァ
イヴァ
…ん。
リリス
リリス
明るいよ。
もう朝だよ。
イヴァ
イヴァ
…本当だ。
なんだろ。

朝ってこんなにも明るかったんだ。

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