夏休み明けの登校はみんなダルいし、起きられない。
今年は遅刻してしまった。
きっと、夏休みの間に狂いまくった生活リズムのせいだだから、1週間もすれば治ると考えていた。
でも、最初の1週間どこをとっても遅刻せずに行けた日はなかった。
起きるのが明らかに遅くなっていた。
だから、3時くらいにアラームをかけてみたところ、スッキリおきられた上に、遅刻もしないで済んだ。
でも、普通に学校に行って、水泳部もこなしてそんな時間に起き続けるなんて、とても無理な芸当だった。
真夜中まで推しの配信を聴きながら勉強したり、YouTube見たりして夜更かしするからだ。
そうやって何度も自分を責めた。
責めて、責めたけど何も変わらなかったし、学校にも行けないままだった。
親にも言われた。
今年受験生なのに、しっかりしろ、甘えてるの?
って。
でも、起きられないものは起きられなかった。
それを話すと、病院に連れていかれた。
採血などの検査をして、起立性調節障害と診断された。
まず、ほっとした。
でも、その次に感じたのは、不安と怒りだった。
心配事は尽きなかった。
さらに衝撃的だったのは、お医者さんに言われた次の一言だった。
私は悪くない。でも、だからこそ何もしていないのにこんなに苦しめられるのは嫌だった。
そして、納得した。
確かに最近起きにくさ、だるさを感じていた。
無理しないでいいと言われたけれど、こんなことで自分が送れたはずの青春が奪われるの嫌だった。悔しかった。
また、眠りが浅くなったのか今までよりも長く寝ないといけない体になった。
起きられないからその分をカバーしないといけないのに、思うように出来なかった。
自分に腹が立った。
遅刻でしか行けない自分。病気だからって甘える自分。
そんな弱さに耐えきれなかった。
もう耐えきれない、どこかで吐き出したいと思った時に見つけたTwitter。
元々推し事で使ってはいたのだが、起立性調節障害と検索をかけるとたくさんのツイートがヒットした。
真夜中までDMで話したり、ツイートしたり、リプを送ったり、リプ返したりして発散した。
ネッ友も出来た。
そんなふうにスマホをいじっていた時に突如見つけた人生ルーレットというアプリ。
覚えもないのにインストールされていた。
こういったものは危ないから触っちゃ行けないと習った気がする。
だから、深く気に留めず放置した。
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。