第6話

入れ替わり
250
2023/01/21 05:26
次に目を覚ました(?)というか、意識が戻った時、私は知らない場所にいた。
でも、学校だった。知らない学校。
私は何故か授業中の教室の廊下の前にいた。
「行きたくないなぁ」
(え?誰もいない.....声はどこから?)
女の子の声がどこからが聞こえてきた。
「私が入った瞬間全員が振り向く。好奇心の目に晒される。」
「ほっといて欲しい」
また、意識と関係なしに足が動き、手を挙げてとドアをあげる。
(こんなに手を挙げたらリスカが見える。おろさなきゃ)

(え?動かない?)
私の意思とは裏腹に手でドアを開けた。
ハッとした。
(リスカの傷が、ない?)
_中村 柚@なかむら ゆず_
中村 柚なかむら ゆず
おはようございます
私の声では無い。

(え?どういうこと?)
Teacher
あ、中村さんおはようございます
(中村さんって、だれ?
......あ、入れ替わる人?)
私が考えている最中にも目線が動き、時計を見る。
13時10分。
5時間目の開始後少しだろう。
背負っていたリュックをおろし、教科書を出す。
ノートも出して、ペンをとる。
ふっと、またそこで意識が途切れた。
チャイムがなった。
どうやら授業後の休み時間らしい。
_白石 藍音@しらいし あのん_
白石 藍音しらいし あのん
ゆー!
今日遅かったけど体調大丈夫?
_中村 柚@なかむら ゆず_
中村 柚なかむら ゆず
あーちゃん!
うん、もう大丈夫だよ!
(あーちゃん?だれ?)
私は、ゆーと呼ばれているらしい。
口角が上がる。
マスク越しだとはいえ、私(仮)は満面の笑みだ。
【ゆーというのは、中村柚さんのあだ名です】
【あーちゃんと言うのは、中村柚さんの親友の白石藍音さんのことです】
らにぃさんの声。
案内人ってこういうこと?
また意識が途切れていたらしい。
知らない人達と、ご飯を食べていた。
お茶碗は黒い有田焼、みたいなやつ。
それと......お箸は、木のそのままの色のヤツか。
(この人たち、だれ?ここはどこ?)
【あなたの正面は中村柚さんのお母さん、中村若葉わかばさん。あなたの右側は、中村柚さんのお父さん、中村楓人ふうとさん。】
らにぃさんの声がする。

(なるほど。つまり、私と中村さんのお父さんの間に中村さんのお母さんが座ってるんだ。)
やっとわかった。
家族構成はこんな感じなんだ。
入れ替わるのは不安しかないが、らにぃさんもついていて、ここまで押えていたら大丈夫な気がする。

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