広間には…女王様と王女様がいた。
ジェシカ様が驚いた顔をして私を見た。
仕事?ジェシカ様はなんて冗談を…。
お兄ちゃんの部屋に着いた。
お兄ちゃんがドアがを開けて出てきた。
ちょっとだけからかってみた。すっごい笑顔で言ってみた。なんか、お兄ちゃんからすっごい冷気が出てきているのは気のせいだろうか。
『カーン、カーン、カーン』と、15時の鐘が鳴った。それとほぼ同時に、玄関のドアをノックする音が聞こえた。
ジェシカ様が剣を構えた。…って、え?ずいぶん物騒な物を持ち歩いてるなぁ…王女様って。
護衛って大変なんだなぁ。
本当に仲がいいな~、お兄ちゃん達。…お兄ちゃんがドアを開けた。そこには6人の男女がいた。
…最悪の再開だね!w
メアリーとジェシカ、カミラ、マイクがそれぞれの部屋ヘ行った。
しばらくして、メアリーが戻ってきた。
…とのことだ。全員それぞれの部屋ヘ向かう。夕食は、メアリーがそれぞれ持ってきてくれるそうだ。
私は、走って部屋ヘ向かった。
部屋に着いた。だが、机に先程までなかった本とガードが置いてあった。
私は、置いてあったカードを見てみた。そこには、「賢狼」と、書かれていた。
もしかしたら、この本に何か書いてあるのかもしれない。私は、表紙に「人狼ゲーム」と書かれた本を読んだ。簡単に言うと、こういうことが書かれていた。
『 人狼ゲームの説明です!
人狼ゲームは、人狼と市民の2つの陣営にわかれ、生き残りをかけて争うサバイバルゲームです。
参加者は、それぞれ「市民陣営」「人狼陣営」にわかれて、勝利条件の達成を目指します。
皆さん、勝利を目指して頑張ってください!』
………え?
死にたくない。死にたくない死にたくない死にたくない死にたくない死にたくない死にたくない死にたく…ない…。
私は覚悟を決めて、もう一度本に目を通した。
『役職一覧
◎占い師
◎霊能者
◎饒舌狩人
◎女王
◎プリンセス
◎番犬
◎長老
◎賢狼
◎能ある人狼
◎一途な人狼
◎ささやく狂人』
私の役職は…。あった!「賢狼」は、人狼陣営で、その日に襲撃した人全員の役職がわかるのだそうだ。狼だから、バレないようにしないと…。他には、女王が誰なのか狼はわからないのだそう。おっ?とっても便利なことが書いてあるぞ。人狼の人達は、誰が人狼とささやく狂人なのかわかるみたい。これなら少し安心だ。よし!夜中になったら、バレないように仲間探しをしよう!
しばらく経った。ドアをノックする音がした。
そう言うと、メアリーが入ってきた。
メアリーは笑顔で言った。
よーく見てみると、メアリーの頭の上の部分に小さく「一途な人狼」と、書いてあった。メアリーは、人狼。私の仲間なのだ。
ドアの前でメアリーは私を見て
と、言って部屋を出ていった
私は一人そう呟いた。あぁ、夜中が楽しみだなぁ。
夜中の12時になった。広間の大時計が12回鳴った。私は、鐘が鳴っている間に小走りでメアリーの部屋に向かった。
メアリーの部屋には、メアリーと私以外にニック(だよね?)と…お兄ちゃんがいた。
お兄ちゃんが同じ陣営だったなんて!こんな奇跡ってあるのだろうか?
これからのことって何を話せば…。
そうなんだ!あとで、ちゃんと本を読んでおこう。
適当ってwまぁ、いっか。
じゃあ、今日の襲撃はモブ爺でいいわね。
私達はモブ爺の部屋へ急いだ。…って今気づいたんだけど、ニックとメアリーと私、狼の耳と尻尾がはえて、爪が鋭くなってる!どうやら、自分で調整できるようだ。そんなの、どうでもいいか。
モブ爺の部屋に着いた。これが、私達の最初の人殺しになるのか。
全員がうなずいた。「ガチャ」と、ドアを開けた。モブ爺は…寝ていた。なんでだろ…。はやく殺したいなんて思ってしまう。
メアリーとニックの目は、赤く光っていた。充血しているとかそんなのじゃなくて、黒目の部分が赤く光っている。狼だからかな?まぁ、いっか。お兄ちゃんはちょっとびっくりしたような顔をしているけど。
最初に、メアリーが手を出した。メアリーは、モブ爺の背中を引っ掻いた。私とニックも真似して背中を引っ掻いた。あっ少しずれて頭も少し引っ掻いちゃった。まぁ、いっか。それよりも…。
私は、狂ったようにモブ爺を引っ掻いた。気づいたときには、モブ爺は無残な姿になっていた。
私は引っ掻き続けた。モブ爺はさらに、無残な姿になった。
お兄ちゃんが驚いた顔で私を見た。
とても小さな声でロディが呟いた。そんなの、エマは知らない。無視でいいや。
そして、私達は部屋を出た。この中でモブ爺の部屋に一番近いニックの部屋に着いた。「おやすみ」と、言ってそれぞれが部屋ヘ戻って行く。でも、私は帰ろうとするお兄ちゃんを腕を捕まえた。
私はにっこり笑って言った。
私はお兄ちゃんの腕を離して、走って部屋に戻った。部屋に戻った私は、着替えて、メアリーに服を渡して…そのあとのことはよく、覚えていない。まぁ、いっか。それにしても、次の夜が楽しみだなぁ…。
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!