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第3話

0日目
142
2019/12/03 12:56
 広間には…女王様と王女様がいた。
エマ
エマ
何故、サンドラ様達がここに?
ジェシカ様が驚いた顔をして私を見た。
ジェシカ
ジェシカ
え…え…エマ?
エマ
エマ
ジェシカ様!何故に吹雪の中、こんな不気味な屋敷に来たんですか?!
ジェシカ
ジェシカ
何って…仕事だけど…。
エマ
エマ
仕事って!こんな不気味な屋敷でですか?!冗談を言わないでくださいよ…!
仕事?ジェシカ様はなんて冗談を…。
サンドラ
サンドラ
エマちゃんだっけ?私はご存知の通りサンドラよ。エマちゃんは、なんでここにいるのかしら。
エマ
エマ
エマはお兄ちゃんとカフェに行こうとして森に入ったら、何らかの魔法でここら辺ヘ飛ばされたんです。
ジェシカ
ジェシカ
えっ?ロディもいるの?
エマ
エマ
はい。お兄ちゃんは今、この屋敷のどこかの部屋で休んでいると思います。どこの部屋かはメアリーが知っていると思います。
ジェシカ
ジェシカ
そうなのね…。あと、エマ。敬語じゃなくていいのよ?
エマ
エマ
いいの?やったぁ!
メアリー
メアリー
あら、先程と違ってとても元気ね。回復したみたいでよかったわ。で…ロディのお部屋だけど、こっちよ。ついてきて。
お兄ちゃんの部屋に着いた。
ジェシカ
ジェシカ
ロディ…いるかしら?
ロディ
ロディ
この声は…ジェシカ?
ジェシカ
ジェシカ
本当に…いるのね。
お兄ちゃんがドアがを開けて出てきた。
ロディ
ロディ
何故ジェシカ、君がいるんだい?
ジェシカ
ジェシカ
姉上の護衛でここまで来たんだけど…。
エマ
エマ
お兄ちゃんとジェシカ様、本当に仲がいいね!
ちょっとだけからかってみた。すっごい笑顔で言ってみた。なんか、お兄ちゃんからすっごい冷気が出てきているのは気のせいだろうか。
サンドラ
サンドラ
そうよね~。本当に仲がいいわよね。
『カーン、カーン、カーン』と、15時の鐘が鳴った。それとほぼ同時に、玄関のドアをノックする音が聞こえた。
メアリー
メアリー
あら?お客様かしら?
ジェシカ様が剣を構えた。…って、え?ずいぶん物騒な物を持ち歩いてるなぁ…王女様って。
ジェシカ
ジェシカ
エマ…勘違いしないでね。これは、姉上の護衛の仕事の一貫です。
エマ
エマ
そうなんだ…。
護衛って大変なんだなぁ。
サンドラ
サンドラ
とりあえず、外の様子を確認しようかしら。
ロディ
ロディ
じゃあ、僕が行くよ。
ジェシカ
ジェシカ
危ないかもしれないし、私もついて行くわ。
ロディ
ロディ
危なかったらお願いね(ニコッ)
ジェシカ
ジェシカ
うん。
本当に仲がいいな~、お兄ちゃん達。…お兄ちゃんがドアを開けた。そこには6人の男女がいた。
アンナ
アンナ
た…助けてください。いきなり吹雪が吹いてきて大変なんです。一晩泊めてもらえませんか。
メアリー
メアリー
吹雪ですって?こんな真夏に何故…。とりあえず、上がってください。
6人
ありがとうございます。
メアリー
メアリー
それぞれの部屋は用意しますので、広間でゆっくりしていてください。
ジェシカ
ジェシカ
あ…私とカミラも手伝います。
マイク
マイク
ありがとうございます。俺でよければ手伝いますよ。
ロディ
ロディ
…って、マイクじゃん!
ジェシカ
ジェシカ
あ…アンナもいるんですね。
エマ
エマ
マイクとアンナ久しぶり!
…最悪の再開だね!w
アンナ
アンナ
あはは…。こんなに最悪な再開はないけどね。
サンドラ
サンドラ
他の方はいったい…?
アンナ
アンナ
私達はそれぞれ別の場所で遭難したのです。玄関前でたまたま会ったので、今こうして一緒にいます。
メアリー
メアリー
私は部屋の用意をしてくるのでここで失礼します。
マイク
マイク
俺達も一緒に行きます。
メアリー
メアリー
お願いするわね。じゃあ、行きましょうか。
メアリーとジェシカ、カミラ、マイクがそれぞれの部屋ヘ行った。

 しばらくして、メアリーが戻ってきた。
メアリー
メアリー
部屋の用意ができました。
…とのことだ。全員それぞれの部屋ヘ向かう。夕食は、メアリーがそれぞれ持ってきてくれるそうだ。
エマ
エマ
さっ、はやく部屋に戻ろっと。
私は、走って部屋ヘ向かった。

 部屋に着いた。だが、机に先程までなかった本とガードが置いてあった。
エマ
エマ
何これ…?
私は、置いてあったカードを見てみた。そこには、「賢狼」と、書かれていた。
エマ
エマ
賢狼?
もしかしたら、この本に何か書いてあるのかもしれない。私は、表紙に「人狼ゲーム」と書かれた本を読んだ。簡単に言うと、こういうことが書かれていた。

『 人狼ゲームの説明です!
人狼ゲームは、人狼と市民の2つの陣営にわかれ、生き残りをかけて争うサバイバルゲームです。
参加者は、それぞれ「市民陣営」「人狼陣営」にわかれて、勝利条件の達成を目指します。
 皆さん、勝利を目指して頑張ってください!』

………え?
エマ
エマ
なに…これ…。これから、殺し合いをしろって言うの…?
死にたくない。死にたくない死にたくない死にたくない死にたくない死にたくない死にたくない死にたく…ない…。
エマ
エマ
エマは絶対に死なない。お兄ちゃんと生き残って、お家に帰るんだ…!これは殺し合いだ。亡くなった人は、もう二度と戻ってこない。だから、弱音なんて言ってられないんだ…!
私は覚悟を決めて、もう一度本に目を通した。

『役職一覧
◎占い師

◎霊能者

◎饒舌狩人

◎女王

◎プリンセス

◎番犬

◎長老

◎賢狼

◎能ある人狼

◎一途な人狼

◎ささやく狂人』

私の役職は…。あった!「賢狼」は、人狼陣営で、その日に襲撃した人全員の役職がわかるのだそうだ。狼だから、バレないようにしないと…。他には、女王が誰なのか狼はわからないのだそう。おっ?とっても便利なことが書いてあるぞ。人狼の人達は、誰が人狼とささやく狂人なのかわかるみたい。これなら少し安心だ。よし!夜中になったら、バレないように仲間探しをしよう!

 しばらく経った。ドアをノックする音がした。
エマ
エマ
入ってどうぞ。
そう言うと、メアリーが入ってきた。
メアリー
メアリー
夕食を持ってきたわ。…あと、仲間だから挨拶しないとね。
メアリーは笑顔で言った。
エマ
エマ
えっ?!
よーく見てみると、メアリーの頭の上の部分に小さく「一途な人狼」と、書いてあった。メアリーは、人狼。私の仲間なのだ。
エマ
エマ
ははっ…。メアリーが人狼、仲間だったのか。
メアリー
メアリー
そうよ。改めてよろしくね。エマ。
エマ
エマ
うん。よろしく。ところで、他の人達に夕食は配った?
メアリー
メアリー
えぇ。配ってきたわ。だから、今日の夜中、12時に私の部屋に集合するように仲間達に言っておいたわ。だから、エマも来てね。
エマ
エマ
わかったよ!エマ、絶対に行くよ!
メアリー
メアリー
それならいいわ。じゃあ、私はここら辺で失礼するわ。
エマ
エマ
じゃあ、またあとで!
ドアの前でメアリーは私を見て
メアリー
メアリー
くれぐれも市民に見つからないように。
と、言って部屋を出ていった
エマ
エマ
それくらいわかってるもん…!
私は一人そう呟いた。あぁ、夜中が楽しみだなぁ。

 夜中の12時になった。広間の大時計が12回鳴った。私は、鐘が鳴っている間に小走りでメアリーの部屋に向かった。
メアリー
メアリー
遅かったじゃない。みんな待ってるわよ。
メアリーの部屋には、メアリーと私以外にニック(だよね?)と…お兄ちゃんがいた。
エマ
エマ
お兄ちゃん…!
お兄ちゃんが同じ陣営だったなんて!こんな奇跡ってあるのだろうか?
ロディ
ロディ
エマ!君も仲間だったんだね!ジェシカが同じじゃなかったのは残念だけど…。
エマ
エマ
お兄ちゃんは、ささやく狂人だったんだね!エマは賢狼だったよ!
ロディ
ロディ
そうなんだ!
メアリー
メアリー
お話はこれくらいにして、これからのことを話すわよ。
ロディ
ロディ
わかった。
これからのことって何を話せば…。
ニック
ニック
今日は、市民の奴らの中から一人だけ襲撃出きるんだろ?
メアリー
メアリー
えぇ。
そうなんだ!あとで、ちゃんと本を読んでおこう。
エマ
エマ
じゃあ、誰を襲撃するの?
ロディ
ロディ
うーん…。どうする?
ニック
ニック
適当にモブ爺にするか?
適当ってwまぁ、いっか。
エマ
エマ
賛成だよ!
ロディ
ロディ
別にいいよ。
じゃあ、今日の襲撃はモブ爺でいいわね。
ロディ
ロディ
どうしたの?エマ。
エマ
エマ
明日…まぁ、今日のことを考えようよ。
ニック
ニック
そうだな。明日のことを考えようか。どうするんだ?
メアリー
メアリー
明日は、ロディに占いの対抗に出てもらおうかしら。狼が出たら面倒くさいことになりそうだし。
ロディ
ロディ
わかった。
エマ
エマ
狼は?
メアリー
メアリー
潜伏ね。番犬が出たら対抗で出ればいいわ。
エマ
エマ
対抗に出るのは一人だけでしょう?誰が出る?
メアリー
メアリー
まぁ、そんなに深く考えなくていいんじゃない?初日だから番犬が指定される可能性は低いだろうし。
ロディ
ロディ
そうだね。
ニック
ニック
じゃあ、ここら辺で話を終了して襲撃しに行くか?
ロディ
ロディ
襲撃、行く?
エマ
エマ
…行く。
メアリー
メアリー
そうね。行きましょうか。
私達はモブ爺の部屋へ急いだ。…って今気づいたんだけど、ニックとメアリーと私、狼の耳と尻尾がはえて、爪が鋭くなってる!どうやら、自分で調整できるようだ。そんなの、どうでもいいか。

 モブ爺の部屋に着いた。これが、私達の最初の人殺しになるのか。
メアリー
メアリー
さぁ、行くわよ。
全員がうなずいた。「ガチャ」と、ドアを開けた。モブ爺は…寝ていた。なんでだろ…。はやく殺したいなんて思ってしまう。
エマ
エマ
ねぇ、はやく殺したいよ。
メアリー
メアリー
そうね、私もはやく殺したい。
メアリーとニックの目は、赤く光っていた。充血しているとかそんなのじゃなくて、黒目の部分が赤く光っている。狼だからかな?まぁ、いっか。お兄ちゃんはちょっとびっくりしたような顔をしているけど。
メアリー
メアリー
よいしょっと…。
最初に、メアリーが手を出した。メアリーは、モブ爺の背中を引っ掻いた。私とニックも真似して背中を引っ掻いた。あっ少しずれて頭も少し引っ掻いちゃった。まぁ、いっか。それよりも…。
エマ
エマ
楽しくなってきちゃったよ♡
私は、狂ったようにモブ爺を引っ掻いた。気づいたときには、モブ爺は無残な姿になっていた。
メアリー
メアリー
エマ。ふふっ♪素敵ね、素敵だわ。もっと、もっと遊んでいいのよ。
私は引っ掻き続けた。モブ爺はさらに、無残な姿になった。
ロディ
ロディ
え…ま…?
お兄ちゃんが驚いた顔で私を見た。
エマ
エマ
あれあれー?もう、おしまいなのかー…。もっと遊びたかったなー…。
ロディ
ロディ
エマ…。君は狂ってしまったのかい…?
とても小さな声でロディが呟いた。そんなの、エマは知らない。無視でいいや。
エマ
エマ
さぁ、戻ろっか!服、汚れちゃった。どうしよう。
メアリー
メアリー
私が急いで洗っておくわ。タンスの中にパジャマがあるからそれを着ていて。他の人には言ったけど、朝は8時に広間に集合よ。遅れないようにね。
エマ
エマ
わかった!
そして、私達は部屋を出た。この中でモブ爺の部屋に一番近いニックの部屋に着いた。「おやすみ」と、言ってそれぞれが部屋ヘ戻って行く。でも、私は帰ろうとするお兄ちゃんを腕を捕まえた。
ロディ
ロディ
ちょっ、エマ?
私はにっこり笑って言った。
エマ
エマ
また、今夜遊ぼうね♪
私はお兄ちゃんの腕を離して、走って部屋に戻った。部屋に戻った私は、着替えて、メアリーに服を渡して…そのあとのことはよく、覚えていない。まぁ、いっか。それにしても、次の夜が楽しみだなぁ…。

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