前の話
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帰り道。
半年前まで付き合っていた元カノに突然言われた一言。
彼女とは家が近いので、よく帰りが一緒になっていた。
前を歩いていた僕は、驚いて彼女の方に振り返る。
彼女は申し訳なさそうに僕の目を見た。
告白、だよな?
まさか告白されるなんて一切考えていなかった僕は、なんて答えればいいのか戸惑う。
変わらず見つめてくる彼女に少し気まづくなり、目線をそらす。
考えた末、振られたショックを根に持ってしまっていた僕はそう答えた。
彼女は初めて付き合った人で、復縁を言われたのも彼女が初めて。
だから僕は未練があったのかなんて分からなかった。
でも、これは本当だ。
彼女がまた好きだと言ってくれたことが素直に嬉しかった。
何度もごめんと口にする彼女。
気まずくて別れを切り出す。
家に帰ろうと前を向き直した。
明日、学校…だよな。
どんな顔をして会えばいいんだろう…。
そんな事を考えて歩き始める。
その時、だ。
突然の彼女の大声。
ーードンッ
一瞬の出来事。
日向が、車に轢かれた。
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。