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第1話

あの日
32
2021/09/12 03:35
橋本 日向
橋本 日向
やっぱり好きなの。
帰り道。
半年前まで付き合っていた元カノに突然言われた一言。
彼女とは家が近いので、よく帰りが一緒になっていた。
橋本 日向
橋本 日向
振った側なのに、意味分かんないよね…笑
前を歩いていた僕は、驚いて彼女の方に振り返る。
橋本 日向
橋本 日向
自分勝手だって分かってるの。でも、
橋本 日向
橋本 日向
ごめんね。やり直したい。
彼女は申し訳なさそうに僕の目を見た。
告白、だよな?
まさか告白されるなんて一切考えていなかった僕は、なんて答えればいいのか戸惑う。
水無瀬 健斗
水無瀬 健斗
えっ、と…
変わらず見つめてくる彼女に少し気まづくなり、目線をそらす。
水無瀬 健斗
水無瀬 健斗
…ごめん。気持ちに応えられない。
考えた末、振られたショックを根に持ってしまっていた僕はそう答えた。
彼女は初めて付き合った人で、復縁を言われたのも彼女が初めて。
だから僕は未練があったのかなんて分からなかった。
橋本 日向
橋本 日向
…そっか、!だよね!ごめん、急に変なこと言って。
水無瀬 健斗
水無瀬 健斗
ううん、全然。気持ちは…うれしい。
でも、これは本当だ。
彼女がまた好きだと言ってくれたことが素直に嬉しかった。
橋本 日向
橋本 日向
あ、えっと…じゃ、じゃあまたね。引き止めちゃってごめんね。
何度もごめんと口にする彼女。
水無瀬 健斗
水無瀬 健斗
平気だよ
水無瀬 健斗
水無瀬 健斗
じゃ、またね。
橋本 日向
橋本 日向
…うん
気まずくて別れを切り出す。
家に帰ろうと前を向き直した。
明日、学校…だよな。
どんな顔をして会えばいいんだろう…。
そんな事を考えて歩き始める。
その時、だ。
橋本 日向
橋本 日向
健斗!!危ない!!
突然の彼女の大声。
水無瀬 健斗
水無瀬 健斗
え?
ーードンッ
一瞬の出来事。
日向が、車に轢かれた。

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