さっきの新田の言う事じゃ…小さい頃から決まってたって事よね?
え?
私全然知らなかった…それにあなたからも聞かなかったって事はあなたも知らなかったりして…
それに私…
高橋くんと永瀬くんの気持ち知ってるから余計辛い。
2人には言わないほうがいいのかな?
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なんなんあの人…笑笑
とりあえず紫耀には明日言おうかな…
一緒に考えてくれそうだし
ーーーーーーーその夜ーーーーーーー
突然起こった事で何が何だかわからなくて…とりあえず自室に入って心を休めると
少しずつ内容の理解ができた。
そして事の重大さも少しずつ分かってきた。
じつは、私の家は結構お金持ちで跡取りがいないといけない。
でも私の上にお兄ちゃんがいるから私は大丈夫だろうと勝手に思ってた。
ところが、私の幼馴染の新田真剣佑は一人っ子で新田家もお金持ちだから、
早く身を固めるために私と真剣佑の婚約を進めてきた。
というのが昔行われていた話だ。
その頃私達はあまりにも幼かった為正式に婚約はしなかったそう。
今になってこの話がまた出てきたのは真剣佑が中々身を固めないからだ。
お見合い話も全て断っていた。理由は単純に私がいいから…らしい
聞いてて恥ずかしいけど
というわけでなくなりかけていた縁談話がまた舞い込んできて今に至るというわけ
いきなりど直球の回答で少し戸惑う…と同時に
恥ずかしさも襲ってきた。
どうしよう…
真剣佑との縁談は悪いものではないと思う。
でも、少しきになってる事があって…
なんで私は今田さんを知らないのに真剣佑は知ってるか…。
それが引っかかっていた。
それと…今まで聞いたことのないはずの声が聞こえたの。
あなたが好きやねん
いつの話なんだろう。もう顔も名前も思い出せないや。
でも、私はそれを聞いた時嬉しいって思ったの。
可笑しいよね
なんでなんだろう…
その人に会いたい
真剣佑とは婚約しないでって
叫ぶ私が奥にいる。
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!