第80話

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2019/11/07 02:29
新田真剣佑
新田真剣佑
久しぶり、あなた
元気にしてた?

そう言われ、私は咄嗟に
あなた
あなた
はじめまして……の間違いでは?

と聞いた。

第1、こんなイケメンの知り合いいないはずだったし。

でも、彼はふわっと笑って
新田真剣佑
新田真剣佑
はじめましてじゃないよ

と言った。
あなた
あなた
知り合い…でしたか…ごめんなさい
新田真剣佑
新田真剣佑
謝らなくていいよ

彼は私を前の椅子にエスコートしてくれた。

あなた
あなた
慣れてますね
新田真剣佑
新田真剣佑
昔、幼馴染みにしたらすごく喜んでくれて。
王子様みたい……だと
嬉しくてずっとしてたんだ。
あなた
あなた
その気持ち分かります。
王子様みたいですから……
新田真剣佑
新田真剣佑
ありがとう
あ、敬語じゃなくていいよ
堅苦しいから。
あなた
あなた
では、タメ語で……
新田真剣佑
新田真剣佑
うん
あなた
あなた
あの、私に用あった…んだよね?
新田真剣佑
新田真剣佑
そう。
君の様子を見に来たんだ。
あなた
あなた
私は特になにも。
新田真剣佑
新田真剣佑
変わったことはない?
あなた
あなた
変わったこと……
学校のこと以外はなにも。
新田真剣佑
新田真剣佑
学校?なんかあったの?
あなた
あなた
……学校のことは知ってる。
クラスの場所、食道……全部知ってる。
ただ……
新田真剣佑
新田真剣佑
ただ……?
あなた
あなた
分からないの……クラスメートが
向こうは明らかに私を知ってる。
でも分からない。先生も……
新田真剣佑
新田真剣佑
そっか。

言葉に詰まると、彼は全て察したように頷いた。

現実がやっぱり辛くて私は俯いた。

新田真剣佑
新田真剣佑
辛かったね……

そう言って彼は、私の頭を撫でた。

溢れそうになる涙をこらえて私は何度も頷いた。

新田真剣佑
新田真剣佑
でも、もう大丈夫だよ。
俺も決めたんだ。
あなた
あなた
え……?

涙が止まった頃、彼は私の頭をもう1度軽く撫で

そう呟いた。

あなた
あなた
今なんて……?
新田真剣佑
新田真剣佑
なんでもないよ。

そう言って、柔らかく笑って立った。

新田真剣佑
新田真剣佑
そろそろ……
時間とってごめんね
あなた
あなた
いえ……私も泣いてスッキリしたから
新田真剣佑
新田真剣佑
そう、それは良かった。

そう言って去ろうとする彼の背に

私はどうしても引っかかっていたことを口にした。


あなた
あなた
あの……!
新田真剣佑
新田真剣佑
ん?
あなた
あなた
名前……
名前!教えてくだしゃい!

盛大にかんだ……💦

恥ずかしくて下を向くと

頭上で笑う声がした。
新田真剣佑
新田真剣佑
可愛い笑
あなた
あなた
……!
新田真剣佑
新田真剣佑
名前は












新田真剣佑……真剣佑だよ。
じゃあね、あなた。

そう言って、去っていった。

今のが夢かと思うくらいだった。

新田真剣佑……

綺麗な……完璧な男の子の去っていった方をいつまでも見つめていた。

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