とは言っても、そういう所も含めて、町田先生とは高校を卒業した後も付き合いを続けてきた。
ハッキリしているところ、
仕事が出来るところ、
酒に強いところ。
後は、良いところの坊ちゃんだから、
普段は上品さが仕草や言葉遣いなどに表れるが、たまに口調が荒くなるギャップ持ち。
特に呑んだ後とか。
他にもあるけど、俺が深く気に入ってるところはこれぐらい。
(やっぱり付き合う相手は " 飽きない " に尽きるよね〜。)
町田先生は空になったパックジュースをデスクの上に置くと、帰り支度を始める。
自然と先日彼女が巻き込まれた時のことが脳裏に浮かんだ。
(真っ直ぐの通りが続く場所で迷子って、どんだけ方向音痴なんだよ。)
思い出すと笑えてくる。
その様子を見て、彼はまた怪しい目を俺に向けた。
いつもは自転車で登校しているのに珍しい。
さては何か予定があるのだろうか。
もしや、恋人と " デ ──────
帰り支度を済ませた彼は空になったパックジュースを、職員室のドア横のゴミ箱に捨てた。
遅れて帰り支度を進めている俺の方に振り返ると、
彼は「そういえば、」と話を切り出した。
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。