―烏野高校体育館
大地_side
嫌な、当たって欲しくない物ばかり浮かんで来る。
まさか。まさかな……
違うよな?当たらないでくれ。頼むから。
言わないでくれ……
澤村大地様へ
拝啓 澤村大地様
黙っててこの世界を去ることをどうか許して下さい。
どうしても大地達に伝える事が出来ませんでした。
ビックリしている事でしょう。
大地達には驚かせる事ばかりさせてしまいましたね。
後、沢山迷惑もかけた。
初めてあった日のこと覚えてる?
私が違う世界の人だよって伝えたら皆すっごくビックリしてて、大地なんか凄い顔してたんだよ!
私がこの世界の人じゃないって知っても変わらずに接してくれた事とても嬉しかった。
本当はね。
離れたくなかった。ずっとここに居たかった。
でも私にはそれが出来ないからこの世界を去りました。
大切な人達の邪魔だけはしたくなかった。
ほんと自分勝手だよね。
ごめんね。
春高が終わって、「好き」って言ってくれて嬉しかった。
ありがとう。
住む世界は皆と違うけど、ずっと応援してる。
頑張ってね。
星城あなた
ヒラッ
パサッ……
愛してる
俺だって愛してるよ。
ずっと一緒に居たかった。
帰したくなかった。
隣に居て欲しかった。
あなたと笑い合える普通の日常が欲しかった。
もっと一緒に過ごしたかった。
大切なもの程失ってから気付く。
時間は、泣きじゃくる俺らを嘲笑うかのように刻一刻と過ぎていく。
今日から君が居ない世界で生きていく___________
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編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!
転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。