第47話

敵いっこない JKside
3,003
2019/03/25 22:23
ジョングクside





傷心中の僕に、
畳み掛けるように来た衝撃的な報せ。


あなたヌナが講演会後、
ARMYと思われる学生に階段の上から突き落とされたというものだった。


頭から出血があり、
意識がなくICUにいるとのこと。


今すぐ駆けつけたいと思ったのはきっと僕だけじゃなくて、
他のメンバーも同じだったと思う。


みんなそれぞれヌナを慕っていたからだ。


一斉に食い気味でマネージャーに質問しても、
得られた情報に安心材料はない。


そんな中で、
ユンギヒョンはただでさえ色が白いのに顔を青白くさせて、
あまりのショックに言葉が出ないような表情をしていた。


それなのにマネージャーから病院名を聞くや否や、
普段なら考えられないスピードで部屋を出ようとするから……

あー、やっぱりユンギヒョンには適わないなって思ったんだ。


駆け付けたいのは僕だって山々だった。


ただ、今僕らが行っても会うこともできないし、
騒がれて迷惑をかけるだけだというマネージャーの言葉に納得したわけではないにしろ、
言う事を聞かざるを得ないと僕は思ったんだから。


たまたま近くにあったユンギヒョンのカバンを手に取り、
呼び止めてぶん投げる。


財布も持たずにどうやって病院行く気ですか、まったく。


無言で受け取ったユンギヒョンは、
そのまま練習室を後にした。


その後ろ姿に、
もう僕ができることなんてない。



取り乱すユンギヒョンを後でネタにできる程、
あなたヌナに何も無いことをじっと祈ることしかできなかった。






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