四時間なんて終わってしまえば案外早く感じるものだ。
ユンギさんのヘアメイクの後、
練習室に立ち寄ってPDより私が新しい役職についた話があったので、
皆の前で挨拶をした。
メンバーはもちろん色々なスタッフから祝福をもらい、
なんとジミン君からは
と、
某有名一流ブランドの可愛らしい万年筆まで頂いたりして……
皆の期待に応えなきゃならないと気が引き締まる思いだった。
それなのに……
私のサロンから出て行くユンギさんが、
軽く振り返って吐いていった言葉。
気を引き締めたいのに、
矛盾するように頭から離れない。
スタッフとでしかそばにいられない分、
これからもがっかりされないように頑張らないと。
スタジオへ移動中のエレベーター内で、
テヒョン君が突然爆弾を放り投げてきた。
( オーマイガー。 )
ユンギさんもジョングク君も乗ってるのに。
ストロー付きのコーヒー片手にユンギさんがむせるから、
もう恥ずかしくて泣きたくなった。
( 我ながらなかなかの模範解答。 )
( キムテヒョン氏、もう勘弁して下さい。 )
エレベーターの中は一気に冷凍庫化したのかと思った。
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編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!