第27話

こいつぁうっかりだ YGside
3,480
2019/01/24 21:20
ユンギside






その時は急に訪れた。

約束の時間の5分前。


_______________コンコン。





ユンギ
ユンギ
はい




聞こえたノック音と同時に、
『あ、自分の部屋なのにノックしちゃった。』とドアの向こう側であなたヌナの独り言が聞こえる。




( なんじゃそりゃ可愛いなこのやろ。 )



You
You
あ、ユンギさん。もういらしてたんですね




この部屋が作られて間もないらしいから、
あなたヌナもまだ慣れていないんだろう事が分かったが、
自分の為だけに与えられた部屋にノックして入るか?普通。


てか俺もテンパって咄嗟に「はい。」とか言っちゃったじゃんかよ。




ユンギ
ユンギ
お願いします
You
You
あ、はい




『こちらにどうぞ。』と言われ、
素直に鏡の前に座る。



鏡越しのあなたヌナを見る事ができない。


からかって遊んだ数日前が遠の昔のように感じる程。




ユンギ
ユンギ
こんな感じにしたいんだけど
You
You
承知致しました




スマホの画面にイメージ画像を映し出して見せる。



ついでに連絡先でも聞いておくか?

いや、ダメか。

ジョングクの彼女ならアウトだ。



そんな邪な事を考えていると、
あなたヌナがスッと何気なく俺の髪に触れた。



髪のコンディション等を確認するプロの仕事の一つなんだろうが、
触られる方は髪の先にまで神経が通ったような気分だった。




( だから意識しすぎだっつーの。落ち着け俺! )



ユンギ
ユンギ
随分とご出世されたようで
You
You
はい、お陰様で。ご報告が遅くなり申し訳ございません





照れそうになるのを堪えるために何か話さないとやってられなかったわけだが、
さすが俺だな。




( 俺のバカ!もっと別の言い方があっただろうが!! )



一つ言わせて貰えれるならば、
出来ればあなたヌナの口から直接聞きたかったし、
労いの言葉一つでも掛けてやりたかった。


お祝いなんかもしたかったのが本音で、
それが叶わないからスネた子供のように言葉がドンドン出てくる。

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