ユンギside
すぐに医者や看護師が来て、
脳にダメージがないか見当識の問診や四肢に麻痺や痺れがないか確認をしていた。
経過が良好なら数日で退院できる事に心からホッとする。
立ち上がるオレの手を掴んで、
そんなセリフはちょっとずるすぎんじゃねーの。
呼び止めたくせに何も話さない。
でもこの無言が苦痛じゃない。
そばにいるだけで、
今は会話も要らないぐらい。
暫くの無言の後で、
ヌナは
とつぶやいた
普通なら怖くてやめたり
俺達の担当を外れたりすることもあるだろうに、、、
俺の大事な人達が、
俺の大事な人を傷つけた事実は消えない。
だが、これからはちゃんと守らせて欲しい。
ただ守るだけじゃなくて、
ちゃんと対策も講じるから。
本当に嬉しそうに返事するから、
抱きしめてやりたくて仕方なかった。
怪我人にそんな事はできないと理性を総動員させて電話のために席を立つ。
その後、電話口でマネージャーからこっぴどく怒られたのは言うまでもないが、
マネージャーもマネージャーであなたヌナが大したことないと知って安心していたようだった。
電話の向こう側でメンバーが「こっちは心配しなくて良い。」「そばにいてあげてください。」と騒いでいた事で、
俺の気持ちがその場にいた全員に知られている事を知った。
奴らに言う手間も省けたらしい。
いくらでも、何をしてでも、説得してやるよ。
ボーダーラインなんて超えてやる。
だから、
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。