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気がついたらドアに寄りかかり寝てた私。
きっともう、あすかさんも帰ってきてる。
何時間が経った?
部屋の電気をつけ
時間を確認する。
18:30 。
あすかさんがこんな時間に帰ってくる。
いいことでもあったんだろうか。
トントントントン
あすかさんが2階にきた。
あ 「 ねぇ!いるんでしょ、
開けなさいよ 。
見たんでしょ!話したいのよ、
涼介に言ったら許さないわよ!
みほ!開けなさい!」
でも私
開ける気ないよ
私にはね
もう仮面なんて必要ないの、
だーれも私を愛してくれないなら
愛されるのをやめる。
努力するのなんてやめる。
私もう期待したくないの
「 やだよ、絶対開けない
あんたなんかお母さんじゃない!
だって、パパを愛してない、
みほを愛してないもの!
こんなの、こんなの嫌だ、」
叫び訴えた。
気がつくと頬には涙が流れていた。
きっと、
驚いた顔をしてる?
ねぇ、
ガッカリしてる?
山田涼介の子供
いい子の子供
完璧な子供
それが仮面を外すと
悪い子だった。
そう思ってガッカリしたでしょう?
あ 「 まず、あなたが昨日見たのは誤解よ
夢よ、だから 「 言う気ないから。
だからもうほっといて」 ほんと?」
こうして訴えてるのに
寂しいのに愛されたいのに
あなたは自分の 「 価値 」を
「 プライド 」を。
あくまで「 芸能人 」を
壊さないように
いや壊されないように
「 自分 」を守るんだ。
あ「 ああ、それと
こんなことしてもいつかは
出てこないといけなくなるの。
諦めて出てきなさいよ、くだらない」
言わない
そう分かったら手のひらを返したように
態度を変え お父さんに嫌われないよう、
捨てられないように私を出させようとしてる
無駄
そんなの無駄だよ
「 私は出る気は無い。
あなたとお父さんとも
話す気なんてない。
話すことなんてない
だからほっといて」
あ「 いい加減にしなさいよ!
あんたのせいで私が責められるのよ
あんたのせいで涼介は帰ってこないの
あんたのせいで私は!
早く出てきなさいよ、ほら、」
鬼のようになり
怒鳴り散らかす。
怖い
怖い
私無理。
やっぱりこの人にはかなわないの
かもしれない。
「 はい 」
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!