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.. っ!
..ゃん
.. ちゃん
?「 みほちゃん!」
誰かが私を呼んでる
誰だろう。
私この人の声好き
安心して
すごく温かい。
..ゃん!
..っ!!
また呼んでる
瞼が重いよ、。
「 っ ..」
目を開けるとともに起き上がると
眩しい光とともに激痛がおでこに走る
「「 った !! 」」
「 大ちゃん!?」
どうやらこの痛みは
大ちゃんのおでこと
私のおでこが当たったみたい。
あの心地よい声はこの彼
大ちゃんだったんだ。
の、前に
ここはどこかと周りを見る
「 どこ」
大「 探したんだよ!
あすかさんから山田んとこに連絡入ってー
そんでね!山田は仕事だーつって
俺が走って帰ってーって聞いてる?
ってぇえええ!!」
驚いた顔でこちらを見る
馬鹿面な彼
大 「 い..やなんで泣いてんの!
ど、ど、ど、ほっ!」
うるさい彼の声とともに
温かい人の温もり。
「 .. っ あったかいよぉ 」
パパは来てくれなかった。
そしてあの人も探さなかった。
大ちゃんが
大ちゃんだけが来てくれた。
誰が見てるとか
ここはどこだとか
関係なくて
仮面なんて関係なかった
わんわん泣いた。
大 「 山田とあすかさんには
大丈夫ってだけ伝えておいたよ。
ここは、俺の家。
こんな寒いのにさ、外で倒れてると思ったら
ケケケ市までよく歩いたよ。」
倒れてたんだ。
いや寝てたんだ。
どおりで寒くて。
でももう大ちゃんのおかげであったかい。
大 「 はい、ココア。
で、どうした?
話したくないなら言わなくていい。
ゆっくりでいい。
ちょっとでも言いたいって思ったら
話してくんない?」
優しく 安心する声で
あったかいこの家で
ここまで運んでくれた
この彼だから。
話してもいい。そう思った。
マグカップに入った
少し暑すぎて
少し甘すぎるココアをひと口ごくんと飲むと
私は言った
「 私もうあすかさんの子も
山田涼介の子供もやめたくなった。」
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。