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2021/09/30

第1話

プロローグ
夏休み。とくに用事もなく、親もいないため昼ご飯を買いに、コンビニへ行くことにした。

「あっつ〜。」

玄関のドアをあけるといっきに蒸すような暑さを浴びた。

今は8月でもうすぐお盆休みにはいる頃だ。

ここら辺は都会外れの住宅地なのだが、最近はコンビニがやけに多くなってきている。

私の家の近くにもほぼ同じ距離で行けるコンビニが2件ある。
私はコンビニに特別こだわりがないので正直、どっちに行っても変わらない。
だけど、今日はなるべく行く道中、日陰の多い方に行くことにした。


日陰も日向も暑さはほとんど変わらないと思うけど、でもやっぱり、日陰の方がいいと思う。

それに、直射日光は女子にはきついんですよ。






コンビニに入ると涼しい空気に歓迎された。



適当にカップラーメンのシーフード味をとって炭酸飲料をレジに持っていこうとしたが、レジ付近の棚にあるお菓子に目を取られてそれも一緒に会計した。



最近のコンビニはイートインスペースがあるところがあってこの付近のコンビニはだいたいある。


もちろん、ここにも。


イートインスペースで食べていこうかと思ったけど、やっぱり、家で食べることにした。
カップラーメンを1人コンビニで食べる女子ってなんかちょっと嫌だしね…。



潔く会計を済ませて外へ出た。

先程とは反対に、暑さで肌から汗が吹きでてくるような感覚。



特に何も無いのでそのまま家に帰ろうと歩き出したとき、視界に黒いものが写った。

すぐにそちらを向けば、黒ずくめの人がすごい速さでこちらに向かってくるのがわかった。

すぐに身体が強ばった。

黒いズボンにパーカー。パーカーのフードを被り顔ははマスクで見えない。
体格からして男。

そんなみるからに怪しい奴がこちらに向かってくるのだ。
しかも、しかも、どうやら真夏の太陽の光で鋭く反射する物を向けて。








「な、なに……。」





無言で、向かってくる男。


恐怖で息をすることすら忘れた。





逃げなきゃ。逃げなきゃ。




必死でそう思っているのに体が動かない。







悲鳴をあげたいけど声も出ない。










助けを呼ぶ余裕などない。

どうしよう。どうしよう。どうしよう。


男が迫ってきたと思ったらなにか体が……




「え………。」




自分のお腹を見ると包丁が体に刺さっていた。




だんだんと自分の服が、赤く染まっていく。




い………




痛い。痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い。
熱い熱い熱い。


腹部は熱いはずなのに、自分の身体はひどく冷たく感じる。







いつの間にかあの黒い男はいなかった。







視界が霞む。








いつの間にか空を見ていた。










倒れたときの痛みなんて感じられなかった。









「きゃああああああああぁぁ!」





どこか遠くの方で甲高い女の人の叫び声が聞こえた。






一瞬なのにとても長く感じる。痛かったはずの感覚すらなくなった。






助からないことくらいわかった。










だんだんと青い空が黒で霞む。










(ああ、私死ぬのか……。)













来世は……











10.1修正終