第4話

ypsr 永遠に雪を掴む
99
2024/02/15 13:41

主>>

ただ雪で戯れる甘々な推しカプを描きたい。
元々雪があまり好きじゃなかった攻めくんが受けくんのおかげで少しだけいいなと思える話。



って思ってたら結構共依存っぽくなりました。

また、時期的に今は雪が降る季節じゃないような気がしますがまあいいやって思って投稿してます。










「あ、ねぇ見て雪」



そう言って、さくらがだぼだぼなパーカーから人差し指だけを覗かせて窓の方へぴっと指を向ける。
その目線の先を見てみると今さっきさくらが言ってたから当たり前だけど、真っ白な雪がぱらぱらと降っていた。



「あ〜ほんとだ、今日寒いもんね」

「ね〜」



雪を指していた手を下げてもまださくらはその雪が重力に伴って落ちていくのを見てにこにこと微笑んでいる。



「雪すきなの?」


僕がそう聞くとうーんと頭を悩ませながら目線を上にしていた。



「雨とかと一緒な感じかも、なんか落ち着くみたいな」

「あ〜」



さくらの返答に軽く相槌を打ってからゆっくりと視線を外の雪に戻す。



「ゆぺくんは?雪好き?」

「普通かも、子供の時は純粋に喜べたんだけどね」



冗談交じりにそう返すとさくらは、そっかとだけ言って少し寂しそうに微笑んだ。その後何か閃いたようにあ、とだけ声を出していた。



「外出てみない?」

「えー寒くない?」

「まあそうだけど、ちょっとだけだし!」



一応抵抗はしたけど結局さくら相手だしそこまで嫌がる理由もないしって、さくらに手を引かれるまま一緒にベランダに出てみることにした。
外の空気は少し風が吹いているからか思った以上に冷たい。


「さむっ」

「ね、さむい」


ふたりして寒い寒いと言いながらもまだ部屋には帰らず雪をさっきより近くで見ている。

まあ1人だとこうしてちゃんと雪に触れることはないしいい機会かもと思い、そっと上から降ってきた雪を手のひらに乗せた。
さっきまで暖かい室内に居たせいか、それはすぐに溶けて一瞬のうちに水になる。


それが何故か少し寂しく思えて少しの間、手のひらの上の水になった雪を見つめていた。

そうしていたら手の甲がふわりと暖かい感触に包まれた。


「ゆぺくん手つめたい」

「寒いもん」

「手冷たい人って心あったかいとかじゃなかったっけ」

「じゃあさくら手あったかいから心冷たいの?」

「それは違うじゃん、」



さくらが触れたのが俺の手の甲なのは、さっきの溶けた雪の粒を退かさない為かな、わざわざ確認はしないけどそう思う。
冗談を言ってみたら不服そうな顔をされて、それが可愛くてそれにつられて僕もふっと笑う。



「雪きらい?」

「嫌いじゃないよ、なんかさくらくんに似てるなって思って」

「え、雪が?」

「うん、なんかふわってしてて可愛くてすぐどこか行っちゃいそう」

「どこも行かないよ?おれ」

「…そうだね、」

「でもそれ言ったらゆぺくんの方が似てるかも」

「えぇなんで?」

「すぐ溶けるから」


さくらの答えに疑問をうかべて見つめているとさくらが悪戯にふわっと笑って、空から降ってきた雪をそっとその小さい手のひらに乗せてみせた。


「ほら、すぐ溶けるでしょ?」

「うん」

「で、ほら、、ゆぺくんも溶けた」



そう言いながらぎゅっと俺を優しく包む。
自分で言ってて少し恥ずかしくなったのかやっぱり寒いのか、顔は見えないけどここから見ても分かるくらいに耳が赤くなっている。


「どういうことw」

「俺あったかいでしょ?」

「うん」

「だからゆぺくんも溶けたの」

「あざといなあ」


内容的には、ちゃんと考えたらおかしい話なんだろうけどそれでも嬉しくて笑いながらぎゅっと少し強めに抱きしめ返す。



「いや?」

「いやじゃないよ、かわいいねって意味」

「…、大丈夫だよ、俺ゆぺくん溶かしきるまでどこにも行かないから」

「溶かしきるまでっていつ?」

「ん〜死ぬまで?」

「え〜死んでからも一緒居てよ」

「ふふ、たしかに、じゃあゆぺくんは人間だし溶けきらないからずっとってことになるね」

「それでいいよ、俺もさくら離さないから」

「そうだよ、どこにも行かせないでね」


抱きしめあったままふたりで微笑む。
外だからとかそういうのは最早関係ない

そのままどちらからともなくゆっくりと顔を近づけていて、リップ音だけが後に響いていた。





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