第53話
(👦🏻)
私はここにいちゃいけない。
あなたの人生を私のせいでめちゃくちゃにしたくない。
短い間だったけど、私なんかに優しくしてくれて本当にありがとう…
スマホを手に取って、机においてあったレシートの裏にペンで書き置きをした。
『じょんぐく、私に優しくしてくれてありがとう。大事な人見つけたらその人にも優しくしてあげてね』
そう一言呟いて、玄関へ向かう。
そして、じょんぐくに気づかれないようにそっとドアを開けたて外に出た。
冷たい風が私の体を冷やす。
季節は秋の終わり、気づいたらもう冬になってた。
そりゃ寒い訳だ。
そう思っていっぽ踏み出した時…
後ろを振り向くと、
お風呂に入っているはずのじょんぐくが立っていて、
走ってこっちへ向かってくる。
急いで出てきたのか髪はびちょびちょで毛先から水滴が落ちていた。
駆け寄って弱い声でそういうじょんぐく。
違う、私はそんなんでビビったりしない。
ただ、貴方の優しさに甘えそうな自分が嫌なだけ…
抜けられなくなって捨てられるのが怖いだけ…
________________________________________