第7話

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2018/07/27 01:17
白い遮光が辺りを照らし、妃奈月もサーテス・ロリンも目を開けずにいました。

2人の悲鳴を合図にその光はどんどん消えていきます。
それに気づいた妃奈月は恐る恐るその重たい瞼を開けました。

妃奈月が目を開くと目の前に人が立っていました。
長身の細身の顔立ちの良い男が鋭い目付きでこちらを向いていたのです。
安条 妃奈月
安条 妃奈月
あなたは…?
妃奈月は震える声を放つ。
広い森林にその声は静かに響き渡った。
T.G.サーテス・ロリン
T.G.サーテス・ロリン
う…うぅ
サーテス・ロリンもやっとその目を開き、妃奈月のように男の方に目を向けました。
T.G.サーテス・ロリン
T.G.サーテス・ロリン
あなたは…
私の方を睨んでいた男は声のする方に目を向け少し目を見開いた。
かと思えばさっきよりもキツく睨みだしました。
I.アテワ
I.アテワ
なるほど。サーテス様、あなたの仕業だったんですね。
低い声で淡々と喋るこの男はアテワだったのです。
T.G.サーテス・ロリン
T.G.サーテス・ロリン
…っアテワ!?仕業ってどういう事かしら…
I.アテワ
I.アテワ
とぼけているのですか…
ハァ、私の魔法を弾いたのはあなたでしょう?
安条 妃奈月
安条 妃奈月
ま、魔法!?
妃奈月はとっさに声を出しました。大きな声を。
それはまるでさっきまで突然の出来事に震えていた事も忘れて。
それもそうでしょう?妃奈月は誰よりも魔法を信じているのです。
それを否定され続けて諦めかけた今、魔法と口にした男を目の前にして黙ってられるでしょうか。
安条 妃奈月
安条 妃奈月
魔法!あなたも信じているんですか?
妃奈月の目は初めて光を含んだように純粋なキレイな瞳をしました。
アテワもサーテスも目を丸めました。
I.アテワ
I.アテワ
…信じてるも何も、普通にあるだろ?
アテワはこの少女は何が言いたいんだ。とでも言うように呆れた声で答える。
T.G.サーテス・ロリン
T.G.サーテス・ロリン
あら?妃奈月の世界にはないのですか?
安条 妃奈月
安条 妃奈月
ないっ!ていうか、使える人がいない!魔法っていう言葉はあるけど!
私がね、魔法信じてたらみんな馬鹿にするのっ!
妃奈月はあまりの嬉しさにかかなり大きな声で話していました。
I.アテワ
I.アテワ
なるほど…。そんなこともあるんだな。
君はある意味、奇跡かもしれない。
T.G.サーテス・ロリン
T.G.サーテス・ロリン
そうね。私が目を付けていたくらいだもの。
I.アテワ
I.アテワ
やはり、あなたが私の魔法を…
T.G.サーテス・ロリン
T.G.サーテス・ロリン
違います。この子の夢に入れたのは今日のみです。
I.アテワ
I.アテワ
…っなるほど。つまり、僕の魔法で今日やっと入れた。ってわけですね。
T.G.サーテス・ロリン
T.G.サーテス・ロリン
あなたの魔法だとは思いませんでしたけど。
安条 妃奈月
安条 妃奈月
あの〜…一体なんの話しを…?
妃奈月はあまり聞かない話に頭が混乱している。
例え信じていても本物の魔法だなんてわからないものです
I.アテワ
I.アテワ
僕は"魔界勧誘"っていう担当で僕はその中で一番偉いんだ。何故ならIの称号を持っているからね。
んで、神から1年に1人、異界の人を招待される。それに選ばれたものを魔法を使い夢の中で誘うのが俺の役目。
T.G.サーテス・ロリン
T.G.サーテス・ロリン
私は"月幻想の女神"よ。
Tが月幻想の称号でGが女神や神を示す称号よ。
主に生まれ変わる人を誰にするか。そしてどの世界に生まれさせるか。
とかを決めているの。
安条 妃奈月
安条 妃奈月
え…?えええ???


バタッ







妃奈月は状況が飲み込めずに意識がなくなったように倒れ込んでしまう。
T.G.サーテス・ロリン
T.G.サーテス・ロリン
妃奈月っ!ひなっ…つ…き…
妃奈月の意識はどんどんと消えてしまいそうになっていく
I.アテワ
I.アテワ
危なっいっ!このままでは…っっ

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