白い遮光が辺りを照らし、妃奈月もサーテス・ロリンも目を開けずにいました。
2人の悲鳴を合図にその光はどんどん消えていきます。
それに気づいた妃奈月は恐る恐るその重たい瞼を開けました。
妃奈月が目を開くと目の前に人が立っていました。
長身の細身の顔立ちの良い男が鋭い目付きでこちらを向いていたのです。
妃奈月は震える声を放つ。
広い森林にその声は静かに響き渡った。
サーテス・ロリンもやっとその目を開き、妃奈月のように男の方に目を向けました。
私の方を睨んでいた男は声のする方に目を向け少し目を見開いた。
かと思えばさっきよりもキツく睨みだしました。
低い声で淡々と喋るこの男はアテワだったのです。
妃奈月はとっさに声を出しました。大きな声を。
それはまるでさっきまで突然の出来事に震えていた事も忘れて。
それもそうでしょう?妃奈月は誰よりも魔法を信じているのです。
それを否定され続けて諦めかけた今、魔法と口にした男を目の前にして黙ってられるでしょうか。
妃奈月の目は初めて光を含んだように純粋なキレイな瞳をしました。
アテワもサーテスも目を丸めました。
アテワはこの少女は何が言いたいんだ。とでも言うように呆れた声で答える。
妃奈月はあまりの嬉しさにかかなり大きな声で話していました。
妃奈月はあまり聞かない話に頭が混乱している。
例え信じていても本物の魔法だなんてわからないものです
バタッ
妃奈月は状況が飲み込めずに意識がなくなったように倒れ込んでしまう。
妃奈月の意識はどんどんと消えてしまいそうになっていく
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。