第12話

『君月』51〜55
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2020/02/02 02:07

*51*


私の好きなのばっかりだぁ〜w

私はお母さんが作ったお弁当を思い出した。





不思議だな…




どうして彼は…私を知ってるの?


いくらストーカーだったとしても…ありえない。








杉:皆さん!お疲れ様でしたぁ!



「カーンパーイッ!!!」



彼のお弁当のお陰で、気が重かった打ち上げも、気楽になっていた。


「お疲れ様です」と周りの皆んなとグラスを合わせる。





濵:〇〇!よう頑張ったな!

〇:いえ〜昨日は最後までありがとうございました!お陰で速く終わらせられました!楽しかったしww

カ:なになに〜??その意味ありげな楽しかったってぇ〜??

〇:だって濵田先輩、あのホチキス使えなかったんだよぉ〜?もぉ意外過ぎて、ツボっちゃって〜ww

カ:ホントにぃ?後輩に教えてもらうなんて、濵田先輩らしくな〜いww

濵:悪かったなぁ?手先は不器用なんや!

カ:手先は??






*52*


カ:他にも不器用あるんじゃないですかぁ?

〇:あるんじゃないですかぁ??




濵田先輩は、こういう場だと いじられるタイプ。


私は、カレンの真似をして、濵田先輩の顔をじぃーッ!っと見た。






っ!!!、、、も、もしかして…





濵田先輩の瞳を覗き込んだ時、気付いた。


チラッとだけ隙間から見えた…


まさか…





カ:〇〇どうした?具合 悪い??





なぜか動揺した私は、目が泳いでいた。





〇:ううん、全然!

カ:あ〜分かったぁw 彼の事考えてたんでしょぉ??

〇:えっ?ち、違うよぉ〜何でソレが出てくるのよぉ〜

杉:ソレってぇ〜昼間の彼の事かしらぁ?




す、杉本先輩まで!!!




杉:〇〇さんに彼氏が出来たなんて知らなかったわ〜

〇:や、彼氏じゃないですから…




杉本先輩は、手元のビールを飲み干しジョッキをガンッ!とテーブルに置くと、






杉:どうりで最近、おかしいワケだ…






*53*


〇:えっ…おかしい…?

杉:会議中にボーっとしてたり……大事な日に遅刻してきたり……




ひぇ〜〜!怖い〜〜!!!

これって無礼講だよねぇ???

そうだよね??



私は隣に座っていたカレンの手を握りしめた。




濵:彼氏って、昨日のヤツか??

カ:えっ?先輩 見たんですか?!どんな人でした??

濵:どんな人って…




オワタ…




だって、昨日の彼のあの態度…

最悪だったも〜ん!(泣)



別に彼氏じゃないけど…



はぁぁぁぁぁ〜〜〜〜っ……




濵:ええヤツそうやったで?〇〇と相合傘で帰っとったわ。




どこが?

あの態度で、ええヤツだなんて、言えないよね?


濵田先輩、気を遣ってくれて…

やっぱり優しいんだな…



や、でも、相合傘の情報 要らんだろぉ〜!




杉:そうなの?私が見た感じだと、世間知らずって感じだったけど……何やってる人?

〇:な、何やってるって…




・・・・・知らん。






*54*


〇:それより彼氏じゃないですから〜あはははぁぁ〜w




笑って誤魔化す作戦!!!




カ:お弁当作ってくれるなんてぇ〜料理人??




浅はかっ!!!

てか、掘るな掘るなぁーーーッ!!!




〇:もぉ!知らないよっ!彼氏じゃ無いんだから!!!

カ:夜中に傘持ってきてくれたり、お弁当作ってくれたり、同棲もしてるのに??彼氏じゃないなんて、そ・れ・は、焦らし過ぎだよぉ〜??




だから…

この場で掘るなよぉーーーッ!!!




杉:〇〇さんは…男が優しくしてくれるのが、楽しいのよねぇ〜〜?

〇:えっ?

杉:イイわね…華奢で小さくて、ふわっとしたパステル的で…女の子らしい…ぶりっ子したって、可愛く思われる。

〇:え、私そんな…

杉:〇〇さんが、ぶりっ子ってワケじゃないけどね………早く結婚でもすればイイんじゃないの??その何してるか分からない彼氏と。




杉本先輩は、本音じゃないとすぐ分かる。






*55*


本音なら、必ず目を見て話す。


こんな可愛いところを、大抵の男は見抜けない。




濵:ひがむなや〜!杉本だって、カワエエとこあるや〜ん!




居た…

見抜ける男。




杉:濵田くん…キライ…




いつも強気な杉本先輩が、弱々しく言うのは…


ハッキリ言って反則だ。

パステル女子のぶりっ子よりも、反則だ!




濵:男が皆んな、〇〇を好きとは限らんで?今日のクライアントとかな!

杉:んじゃあ!濵田くんはどうなのよ?!!!




ぶ、ぶっ込んできた…

クライアントの助け船無視して!



こんな所で、ぶっ込んでくるなんて…

追い込まれてるんだな…杉本先輩…

きっと好きなんだな…濵田先輩の事が…




濵:おっ//俺ぇ?//…や、俺は…//

杉:ホラっ!やっぱり!私なんて…




と、杉本先輩は崩れて伏せた。




カ:えっ?寝てる??

濵:ホンマや〜助かった…ぅわぁッ!!!






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